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嘘だろ...
たった今、俺の目の前に広がる光景が信じられない。
だが理解はできる。
ただそれだけだ。
小柄でかわいらしいその女は、この場の静寂を多少気にしているらしいそぶりを見せる。
『あの...』
MG「すまない、とりあえずお互い自己紹介でもするか」
わかりました、と少し薄いが凛とした声が俺の鼓膜を通過する。
『えっと、日本から来ました、木村Aです。日韓ハーフの97年生まれ、23歳です。韓国語と日本語、あと少し英語を話せます。よろしくお願いします』
そういえばそうだ。
はじめから彼女が話していたのは紛れもなく韓国語だ。
ハーフだったんだな。
そこに感心していると、マネヒョンから次はお前だと目で訴えられる。
SG「...防弾少年団でラップを担当しているSUGAです...27歳です」
自分の人見知り具合にこんなにも腹が立ったのも久しぶりだ。
自己紹介なんて仕事で何万回もしてきたっていうのに、今だけは本当に何をどういえばいいか全くわからなかった。
ふと彼女を見ると、少し嬉しそうに目をそらしながらはにかんでいた。
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作者名:うに | 作成日時:2019年12月1日 2時