失恋万年筆〜佐久間次郎〜 ページ12
久しぶりに会った俺たちは、公園のベンチで話していた。
あれから、どうしてたとか今、何をしてるのかとか。
フランスに引っ越したあと、大学からこちらに戻ってきたAは、今も彼氏はいないらしい。
彼女は今、出版社に勤めていて、昔からの夢だった小説家を目指して働きながら執筆しているそうだ。
それと、思い切ってあの万年筆のことを謝ったら、ゲラゲラと笑われた。
「な、なんだ、そんなこと！？
えぇー、馬鹿だ〜！！」
「んなっ、そんなに笑うなよ！！！」
「だって、おかしくってさ！！
そんなことであんなに距離置かれてたのかぁ」
「そんなことって…
あの万年筆、大事だったんだろ…？」
「大事だけど、壊れたからって怒んないよ〜。
たぶん、壊れたのって私が使いすぎたせいだし、
あははっ、おかしい話だね〜！！」
あっけらかんと笑い飛ばされたもので、俺の9年間は本当に何だったんだろうと思うぐらいいろんなことがどうでもよくなってきた。
「馬鹿だね、私達。
こんな小さなことですれ違って…。
私も私で引っ越すこと言わなくて…。
てか、あのとき、佐久間に冷たくされて嫌われたかなって真剣に思ったんだからね！！！」
「それは本当にすまない…。
このことはほぼ全部俺が悪い」
「もういいよ。
こうしてまた会えたし」
あのときよりもずいぶんと垢抜けて、さらに綺麗になったAは、何も変わっていない。
やっぱり、好きなんだ。
「…A、伝えるのにこんなに時間がかかって本当に馬鹿みたいでさ、情けない話だけど、
あのときから今もこれからも好きなんだ、Aのこと」
9年越しに伝えることのできた好きの気持ち。
「…私も、ずっーと、好きだよ、佐久間のこと。
日本に帰ったら会えるかななんて、ちょっと期待してたんだ。
だから、戻ってきてさ…。
…大好きだからねっ！！」
ぎゅっとしがみついてきた華奢な体。
あのときよりも身長差ができて、さらに小さく感じるA。
何も言わなくても、自然に距離が縮まって静かに重なった唇。
もう、彼女を離したくない。
またこうして再会できて、お互いに好きなんて奇跡みたいな話。
幸せって意外とすぐ見つかるものかもしれない。
・end・
作者から(OvO)なぜか書きたい失恋万年筆あとがき(スルー可)→←失恋万年筆〜佐久間次郎〜
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天羽 - ハルさん» ありがとうございますヽ(；▽；)ノ面白いなんてそんな大それたこと…笑応援していただけるなんて本当に嬉しいです^ ^これからもよろしくお願いします☆ (2015年9月6日 2時) (
レス) id: 6d71fc225e (このIDを非表示/違反報告)
ハル - とても面白いです(*´∀｀)更新頑張ってください！応援しています( *・ω・)ノ (2015年9月5日 22時) (レス) id: 3c0944accc (このIDを非表示/違反報告)
天羽 - Berryzさん» 評価もお気に入りもコメントまで…ありがとうございますヽ(；▽；)ノエビフライ仲間がいて嬉しいです笑1日1回は更新したいと思いますのでよろしくお願いします☆ (2015年9月4日 16時) (レス) id: 6d71fc225e (このIDを非表示/違反報告)
Berryz(プロフ) - とっても素敵でした！！評価やお気に入りにさせて頂きました！！自分もエビフライって読んじゃいました(笑)これからも頑張って下さい！！ (2015年9月3日 22時) (レス) id: 5618d1cd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天羽 | 作成日時：2015年9月3日 17時
