第５章 ページ47
翔サイド
雅：「潤ー！」
雅紀、声でかっ！！
翔：「ちょっ、和が起きるから静かに！」
俺は雅紀を軽くしかる。潤はひょこっとドアから顔を出す。
潤：「どうしたの…？」
和を見てそのまま固まってしまった潤。
潤：「っ…和、病院？」
やっぱ、悲しそうな顔を見せた潤。多分、自分が風邪移したって自分責めてんだろうな。
翔：「うん。今から行くけど、潤もくる？」
潤は一瞬迷ったように表情を歪ませた。すると、潤は俯いたまま、
潤：「…行かない」
と静かに行った。
え…
行かないの？？
翔：「え、あ、そっか…じゃあ、行ってくるから。」
いつもだったら迷いもなく『行く！』って言うのに…
どうしたんだろう？なんか今日の潤色々変だよ…
智：「翔！車もう出すよ！」
智にぃの声で我に返って、玄関を出て車に向かう。
雅：「え...潤来ないの？？」
雅紀も驚いてるみたい。
翔：「うん。なんか、行かないって言っててさ…」
不思議に思いながらも、和が起きない間にパパッと車を運転し始めた。しばらくすると、病院について、俺の先輩に診察を始めてもらった。
先輩：「うん、完全に風邪だね(笑)」
やっぱり風邪かぁ。
先輩：「しばらく安静にしてれば大丈夫だから、今は点滴しとくな。あとは、家に連れて帰って寝てれば大丈夫だと思うから。熱も徐々に下がってくるはず。」
俺たちは先輩にお礼を言っ和の点滴が終わるまで待つ。すると、智にぃの携帯からピリリっと音がした。
智：「だれ…？あ、潤だ…」
潤…？なんか用かな？やっぱ来るーとか言い出すのかな？
でも、智にぃの携帯から聞こえた潤の声は想定外だった。
潤：「さと…ゴホッ、ゲホッ！た、けて…ハアッハアッ、ゴホッ、ゴホッ！さと、に…」
すると、ドサッと鈍い音がして、そのまま電話は切れた。
俺たちはそのまましばらく固まってたけど、一番に動き始めたもは智にぃだった。
「潤、なんで…？っ…とりあえず、翔と雅紀は和と一緒にいて。僕は潤のとこ言って来るから。」
雅：「でもっ、俺もっ！」
雅紀は泣きそうな顔してる。
翔：「俺も行くっ！」
思わず口から出てしまった言葉を聞いて、智にぃは悲しそうな顔になる。
智：「雅紀と翔は和と一緒にいて…お願い。お願いだから。」
俺たちは智にぃのこんな必死な顔見たことなくて、頷くことくらいしかできない。
智：「ん、じゃ、行って来る。」
智にぃはそのまま病院を走って出て行って、そのまま全速力で家まで走ってった。
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作者名：花凛 | 作成日時：2019年5月9日 15時
