感謝されといてやるかな ページ21
菅原side
「でもやっぱ、勝ち残れる気がしねーよ…」
部活後は大地に大人ぶったこと言っちゃったけど、強気にはなれねーよな……
とか考えながら、自室のベットの上で横になっていた。
すると、
「何言ってんのバカーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
と、声がしたと思えば、Aが窓を割って突っ込んできた。
「うわああああああああ!」
下から、うるさいわよーという母さんの声が聞こえてくる
「お前何やってんだよ人の家を!」
「孝支こそ何言ってんの!」
「はぁ?」
意味わかんねーよ。
「春高勝ち残るに決まってんじゃん!そんな弱気だから成績も伸びないんだよ」
「カンケーないだろ!」
「よし分かった!」
「何がだよ!」
「次負けたらカニパンどころじゃないからね!」
……?
何言ってんだコイツ。
「及川先輩と、岩ちゃん先輩と、まっつん先輩と、しょうがないからついでに花ガキ先輩も買い取ってきて!」
……?
何言ってんだコイツ。
バッカじゃねぇの。
すると、ふと視界の隅に、粉々に割れたガラスが入った。
「あっそうだお前!!!」
「んー?」
Aはどこからか引っ張り出してきたカニパをもぐもぐしながら振り向いた。
「人ん家の窓壊すんじゃねーよ!!何回目だ。」
「……二回目?」
よくそんなシラケ顔してられるよ。
「ダンボールかなんかで直しとけば?」
「人にバカ孝支とか言えねーよな、お前も。」
………ハァ。
でも、ちょい落ち着いてきた。
多分、みんな緊張してるけど、
こいつのお陰で和めたよ。
春高勝ち残るとか、勝ち残れないとか、そんなん今心配することじゃないな。
「……ありがとう」
「……は?」
「ありがとうっつってんだよ。ちょっと落ち着いた。」
すると、Aはいつものように胸を張った。
「感謝されといてやるかな!」
「…………おう」
……感謝、しといてやるよ。
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