雑談大会・及川制裁。 ページ17
「今日あっちーな」
季節は夏の終盤。部活が休みの今日は、孝支が私の部屋で過ごしていた。
外は、“夏の終盤”とは思えない猛暑だった。
「暑いって言うともっと暑くなるからヤメテ!」
「小学生か」
エアコン付いてる部屋が天国……
お母さんが、いつものようにアイスを出してくれる。
「おかーさーん、ありがとーー」
「いつもスミマセン」
孝支ってこういう時だけ礼儀がなってるっていうか、私の態度もこうしてもらいたい物だよね!
「いいのよ〜……あ!Aちゃん、今日お父さん帰ってくるからね、お楽しみに」
と、お母さんは、語尾にハートが付く物言いで静かに部屋のドアを閉じた。
「何?Aの父さん帰ってくるの?
仕事、忙しいんじゃなかったか?」
流石にエアコンが活きてきたのか、やや涼し気な声で聞く孝支。
「帰ってくるらしい。やったね!…………あとさーぁ、孝支ぃ。」
「?」
「お母さんに対する態度と、私に対する態度可笑しくない!!?」
「いや、Aの母さんはいつも世話になってるからな」
と、うちわを置く。
「いやいやいやいやいやいや、私のほうが明らかにお世話になってるじゃん!!
何?お母さんの方が孝支の……えと…何だっけ……せいへき……??に刺さるから?!」
「俺の数少ない小遣いからかにパン代抜いてくやつがどうやって俺の世話になってんだ、バカ。あと性癖なんてどこで教わった!!全然違うからな!!」
うちわを取るなり、私に向って思い切り扇がれる。
「……はっ。私、孝支が嬉しいからかにパン買ってるのかと…」
「誰が好きで他人の為の金出すんだよ。」
「でも孝支は私の為のお金出してるじゃん。」
「うッッ……もっ、もう慣れたんだよ!!」
と、再びうちわを私に扇がれ、お母さんが出してくれたバニラアイスに手をとった。
私もアイス食べよっと。
あっ、そうだ。
「性癖って言葉は及川さんから教えてもらったよ。」
「情報提供ありがとう。変な言葉覚えんなよ、Aも。」
「叩くなら折れるまでっ☆」
「それ影山達の前で使ったら大変なことになるぞ。及川制裁でも起きるんじゃねぇの。」
「バレーは6人で強いほうが強いッ!」
「それは覚えていいぞ。」
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