オセロゲーム4[HQ] (ページ10)

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百四十六回目ページ10

－あなたside－

高嗣「久々に着たなぁ。」

鏡の前でブレザーのボタンをしめるお兄ちゃん。

高嗣「おっけ！」

キュッと帽子をかぶり、こっちを向いた。

久しぶりに見た正装姿のお兄ちゃんは、すごく凛々しかった。
ただ、

あ「ハァ、なんで鏡見ながらやってるのにこんな風になるのさ。」

ネクタイを一度解く。

高嗣「なんか、こういうの新婚みたい。」

あ「相手は私じゃないけどねー。」

キュッとまっすぐ締め直した。

今日はお兄ちゃんの結婚式だ。

あ「…いいじゃん。」

高嗣「だろ？(笑)」

あ「はやく紗羅さんのとこ行ってあげなよ。」

高嗣「だな。でもその前にー、」

ん、と両腕を広げてきたお兄ちゃん。

あ「は？」

高嗣「おいで。」

あ「いや、キモい。」←

高嗣「んなこと言うなって！いいからおいで。」

はぁ、とため息をついて、仕方なく近寄る。

ぎゅ。

高嗣「はー、（人1）ともしばらく会えなくなるのか。」

あ「いや、仕事場で会えるし。」

高嗣「（人1）のパジャマ姿も寝ぐせも寝顔も見れなくなるな…」

あ「変態かよ…」

お兄ちゃんって、かなりのシスコンだよね。
顔はいいのに残念すぎる。

あ「…結婚おめでとう。幸せになってね。」

高嗣「もちろん！」

《コンコン》

係「新郎様、新婦様のご用意が整いました。」

あ「ほら、行っといで。」

高嗣「よし！」

パッと離れ、扉の方に歩いていったお兄ちゃん。

高嗣「ちゃんと見とけよ！」

その時の顔がかっこよかったなんて、絶対言ってやんない。