うちのクールが天使な件。

# 疲れたなぁ。 ページ20

Black.



「もぉ… なんで、」

テレビも点いてない静かな空間に呟いた。どこか気だるさを覚える自分の声。


手に握りしめたディスプレイには37℃代の数字が示されていて。前半とも後半とも言えない丁度ど真ん中ってのが更にいらいらを募らせる。



ここ最近続いている微熱のせいで、何もかもが疲れてきて。


多分ストレスかなんか。原因は分かってるのに、悪循環に陥ってるからどうにも抜け出せない。

毎日のようにある仕事に穴を開ける訳にもいかないから、だる過ぎる体を懸命に動かすしかない。



でもそろそろ鞭を打つのも限界。
仕事から帰ってきたら直ぐベッドにダイブ。そのまま寝落ちしちゃって。そしてアラームに起こされる、と。


今もそう。ベッドに沈みながら、閉じようとする瞼に抗って、自ら解決法を見出そうと頑張ってる。



皆にはバレてないから。それでいい。迷惑掛けてらんない。忙しいだろうから。


俺が弱音なんか吐いたら、皆は優しいから助けてくれる。それが嫌。疲れてる中でそんなこと…



アラーム出来てるか確認の為に、重い腕を動かす。上手く回らない頭でパスワード思い出して、スケジュールも。


電話のアプリが目に入った。指は動きたがってる。もう辛いのは耐えきれないから。

でもやっぱり、迷惑掛けたくない気持ちの方が勝っちゃって。



スマホを近くに落として、眠気の波に身を任せた。



.

# Two→←# Three

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す