なんか転校先に歌い手いたんですけど。【歌い手】

44 ページ45

ー体育祭当日ー

そらる「せんせー…僕達は正々堂々戦うことを近います…」

会長のだるそうな声にも関わらず選手宣誓を行い、体育祭がスタートした。

96猫「A！障害物！」

『うぇ、もう！？』

96猫「1回目から障害物やって…」

『さすがにだるいよね…。ま、頑張ろ』

ーー

「さぁてさてさて！記念すべき第1種目目は！
男女別！障害物競走！」

96猫「うっわ わし1走目や！ほな行ってくる！」

『うん、ばいばい』

そらる「…お前のりきだな…」

『うお、会長…。会長ここ女子スペースですよ』

そらる「知ってる」

『まさか出ないつもりですか…』

そらる「出る。出るけど時間あるから
しばらくここにいる」

『会長モテるんですから男子達と話して来てくださいよ…さかたん悲しそうな目 してますよ』

そらる「坂田…いってるくるわ…」

よっこいしょ、と重たそうな腰を持ち上げ
さかたんのところへ行ってしまった。

って、もうすぐ私の番やん。

「…あなたが噂のぶりっこね！？」

『…噂の人です』

「本当に信じらんない！ここで私が勝って
歌い手のみんなにいい印象持ってもらうんだから」

2「黙れよ」

「ひゃ！あ、あんた誰よ！？」

2「Aちゃんの友達」

『うそ、一緒のコース…』

2「お互い頑張ろう」

「位置について！よーい？」

うおおおお私らの番や。
大丈夫大丈夫。運動神経悪くないから。
…多分大丈夫…。

「位置について！よーい！」

＼ﾊﾟｧﾝｯ!!!／

「さあ！全員がほぼ一緒のタイミングで
スタートしていく！おっと！白チーム
はやい！」

陰キャのくせに。

神崎のくせに。

目立ってんじゃねーよ。

この言葉をきいて生きてきた。
周りの声が聞こえなくなるくらい頑張って
1位になった。なのに。

結果はどうであれ 何か言われる。

もうききあきるくらいに。

96猫「おーーい！！Aー！！頑張れえええええ！！」

『96ちゃんっ…！？』

いきなり大声で96ちゃんに応援される。

やばい、嬉しい。

「おおっと！？紅チーム2年急に早い！？」

応援されて嬉しくない人なんていない。
私だって、嬉しくないわけじゃない。

「1着、紅チーム2年生、神崎さん、
2着、白チーム…」

うえっ……私1位…？

96猫「Aっ！おめでとー！」

『96ちゃん…応援、ありがとう。嬉しかった』

96猫「んな…あったりまえやん！チームやし！Aやし！」

『96ちゃんも1位だったじゃん。すごいよ』

96猫「まけたら色々めんどいし…」

『そうだね…自軍戻ろ。』

まだまだ体育祭はこれからだ。
頑張ろう…。

45→←43

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す