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「 まぁ...何や...飲め 」
「 えっ 」
「 別に抱こうが抱かれようがお前はお前やからな 」
「 ムラカミくん 」
「 辛かったら辞めて俺んとこ来いって無責任に言いたい 」
「 言うてもうてるけどな 」
「 それとこれとはちゃうやんか 」
おら飲め！ってグラスに強引にワイン注ぐと
馬鹿真面目にそれを飲み干すリョウ。
阿保ちゃうほんま。
コイツべろんべろんになるタイプやないけど，
軽くふわふわするし決断力も落ちるから
こんなん体目当ての奴の前やったらすぐ掘られるやんか。
そういうの好きな客もおるやろし。
まぁ大人やから。
その辺は自分でどうにかするはずではあるんだけども。
「 ムラカミく〜ん 」
「 何やどした 」
「 もう次行かんで飲んでたい〜 」
「 仕事やからしゃーないな。
まぁ出来る事なら俺も飲んでたいけどな 」
「 のんだくれしよ〜やぁ 」
「 仕事！ 」
「 バックレるぅ 」
絶対酔ってへんコイツ。
わざとらしい酔っぱらいの真似しおって。
でろーんてソファの背凭れに寄っ掛かって，
目ぇ瞑って口開けて帰りたくな〜いって笑う。
帰るんやなくて仕事やろーって急かしたところで
こりゃ聞き入れるわけがない。
どうせ時間で電話来たら引き上げるやろ。
...って甘く見てたんが一時間前。
元々入れた二時間って枠が終わる５分前。
思い出したように携帯取り出して，
ヘラッヘラ笑いながら電源ボタン長押しするリョウ。
「 ああ！お前！今何した！ 」
「 何すか急に大声出して 」
「 いややから！今何したって聞いとんねん！ 」
「 ケータイの電源切った 」
悪いことしたって思っとらんような顔で
俺のポケットに手ぇ突っ込んでガラホ盗って，
電源切ってそのまま自分のポケットに突っ込んだ。
あかんやん。
俺まで携帯無かったら電話取られへん。
リョウに督促の電話入って，そっちに繋がらんかったら
俺の携帯にかかってくるのは当たり前の事。
ああ〜そういう戦略か！て今気付く。
「 あかんでリョウ。返して 」
「 なーんもあかんくない 」
「 あかん事しかない 」
ちょっと突き放したれば嫌になって出てくやろ思って
目付きまで悪くして言うたんやけど。
そんなん全然屁でもないみたいに言う。
「 ムラカミくん俺が他の男に抱かれても何とも思わん？ 」
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作者名：帆苅 | 作成日時：2017年7月27日 22時
