18.意外と。 ページ18
「……地声を?」
《そう!》
まふまふさんの言葉に硬直する。大勢の人の前で歌うなんてした事ないし、しかも地声でなんて、出来るのだろうか。
《セブンって名前は、もともと地声を軸に他6種類の声も使って色んな表現が出来るようにってつけた名前なんでしょ?》
「…はい」
《だったら、これを機にAちゃんが本当に望んだ“セブン”になろうよ!僕は覚醒した真のセブンさんを見たいです!!》
「ぶッッ」
まふまふさんの言葉に吹いた。彼は私の反応に恥ずかしそうにあたふたし始める。素か。今の素なのか。真のセブンて。覚醒て。この人も結構中二病なとこあるよね。
「…そこまで言うなら、良いですよ。良い機会ですし」
《ほっ、本当!?わーい!!やったーーっ!!》
受話器の向こうでめちゃくちゃ喜んでいらっしゃる。そんな姿を想像すると、自分の歌でこんなに喜んでくれるなら、別に良いかななんて思ってしまった。
《何かあったら僕が助けるから!》
「まふまふさんって見掛けによらず頼もしいですよね」
《えっ!?そ、そうかなぁ〜…》
「そうですよ。了解です。頑張ってみるので、またご指導…お願いします」
《…!…勿論だよ!!》
また2人での特訓が始まる。
何だろう、まふまふさんがついてると思うと安心する。これを機にトラウマすら克服しちゃうんじゃないかって勢いだ。
先程来たニコ動本社のメールに返信する。内容は勿論、『Yes』だ。
…あ、そういえば。
「ライブって事は顔出しする事になりますよね…?」
《…あっ》
「てことは性別も解禁になりますね…」
《セブンさん、見た目と地声は普通に女の子だもんね》
「男だと思ってる女性ファンがガッカリしそうなフラグですね…」
《大丈夫だよ!セブンさんの場合、歌でカバー出来るから!…あっ、そうだ!先に正体を匂わせるような事しようか》
「…正体を匂わせるような事?」
《そう!》
まふまふさんの声色が楽しそうなものに変わる。見えなけど、なんかニヤニヤしてそううな気がした。
《今度僕と出掛けよう。何するかはそれまでのお楽しみって事で!》
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北篠(プロフ) - アメちゃん♪さん» 2度もありがとうございます。今までダラダラ進んでましたがようやく佳境に入れそうです。頑張ります。 (2017年10月30日 17時) (レス) id: 77a7868762 (このIDを非表示/違反報告)
アメちゃん♪ - 前も書きましたが 本当に面白いです! 元カレナルシなんですね! 続き楽しみです! (2017年10月29日 21時) (レス) id: 51f9a81287 (このIDを非表示/違反報告)
北篠(プロフ) - ゆーいさん» ありがとうございます。あんなノロノロ続いた第1章から読んでくださっていた事実に涙が止まりません。頑張ります。 (2017年10月21日 16時) (レス) id: 77a7868762 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーい(プロフ) - 初めまして!前作からずっと読ませて頂いてます!!作者様の文才やセンスで他の小説とは違ったストーリーがとても魅力的で尊敬します!!(≧∇≦)無自覚ガチ恋勢?なまふくんも可愛くて最高です!続き楽しみにしてます〜!!(〃∀〃) (2017年10月20日 17時) (レス) id: 86e01811af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:北篠 | 作成日時:2017年10月19日 16時