花輪クンの初恋 (ページ35)

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第三十四話ページ35

『…これとかいいかな。』

今、私は図書室に来ています。

冬休みの間に借りる本を探し中です。

「おや、西園寺クン。君も借りる本を探しに来たのかい？」

『うん。寒いから、本を借りて暇な時間に読もうと思っているの。』

「僕もさ。紅茶を飲みながら読むのが好きなんだ。」

『わかります。私もお母さんに紅茶を淹れてもらって本を読むことが好きでしたから。』

イギリスにいたときは、冬は寒いからよく紅茶を飲んだ。

それで、紅茶が好きな飲み物になったのだ。

『花輪君、オススメの本とかあります？』

「そうだね、シェイクスピアのハムレットやロミオとジュリエットとかがオススメだよ。」

『ハムレット…』

確かここは歌劇があるジャンルの本棚だから…。

ありましたね。ロミオとジュリエットはありませんがハムレットはありましたね。

『…くっ…！』

私が背伸びして取ろうとしていると。

花輪君の手が伸びてきた。

「はい、どうぞ。」

『有り難うございます。』

「いいんだ。」

取ってくれたとき、少しドキッとした。