花輪クンの初恋 (ページ31)

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第三十話ページ31

朝からクラスは賑わっていた。

「西園寺クンは誰が来るんだい？」

『私は、お父さんが仕事でこれないのでお母さんが来ます！花輪君はヒデじいですか？』

「うん！動画を撮ってパパ達に送ると言っていたよ！」

『それはよかったです！』

今日は学芸会当日の日で緊張しています！

上手くやれるようにいつも通りに！

「次は3年4組によるシンデレラです。」

カーテンが開く。

最初にさくらさんのオーホッホッホッという声で大ウケ。

そして、シンデレラが舞踏会に行くシーンまで。

ドレスはお母さんが作ってくれました！

そして、最後のシーン。

『お母様。私と一緒に暮らしましょう。』

「いいのかい？私達は酷いことを沢山してきたんだよ？」

『かまいません。お母様とお姉様達は私の家族なんですから。』

「「シンデレラ…！」」

そう、最後は私がアレンジしたのだ。

お母さんから言ってもらった言葉。

例え、他人だろうが違う家の子だろうと家族は家族。

ハッピーエンドにしたい。

『お母様達、これからもよろしくお願いいたします。』

「し、シンデレラぁ〜😭」

え"…？！さくらさん！これ劇ですよ！

取り敢えず、お姉様役の姫ちゃん、穂波さんにバトンタッチ。

「シンデレラ。」

『？はい。王子様。』

「これからもずっと僕のprincesでいてくれ。」

花輪君がそう言うと手の甲にキスをしてきた。

これを見ていたナレーションの人も観客も唖然とする。

私も。

「お返事は？」

『勿論です！』

私は咄嗟に抱きついた。

最後には拍手の中劇はおわった。