花輪クンの初恋 (ページ27)

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第二十六話ページ27

パーティーもいよいよ終盤に近づいてきた。

一旦、外の空気を吸いに行こうとテラスにでた。

テラスには花輪君も。

『花輪君？』

「おや、西園寺クン。君も外の空気を吸いに？」

『うん。人があんなに集まってるとね。』

「そうなんだ。」

花輪君は悲しそうな顔をしている。

『花輪君。』

「どうしたんだい？」

『辛い？両親が来れないのは。』

「うん。仕事の都合でね…。」

『なら、言えばいいじゃない。会いたいって。』

「でも…。」

『心配かけたくないから？』

「うん。」

『たまにはかけていいと思う。いい？今日パーティーが終わったあと電話をかけること！』

「でも、そうしたら…。」

『会いたいって我が儘言ってみなさい！そうすれば会いに来てくれるわよ！』

「わかったよ。言ってみるよパパとママに。」

よかったぁ。会えないのは寂しすぎるわ。

多分、小さい頃から何もかも与えられてきたから。それで我が儘とか言えないのかな？

気晴らしに踊りますか。

『花輪君。私と踊りましょ。気晴らしに。』

「喜んで。」

『では。』

私と花輪君は踊った。

パーティーが終わるまで。

後日談

「西園寺クン。パパとママ来てくれるって！」

『よかったわね、花輪君。』

「我が儘も時には必要だね。」

『そうね。我が儘を言うことは成長の一歩ね。』

「うん！」

花輪君に両親を会わせたかったっていう作者。