グルメ少女、何を見る。【ヒロアカ】 (ページ7)

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ー第一種目５０ｍ走ー

まず私がやることはこれから蹴落としていくであろうクラスメイト達の個性の観察だ。エンジン、カエル、爆発、レーザー、等。”使えそう”な個性を選別していく。

「次、志垣A。」

相澤に名前を呼ばれた。私の番か。はあ、とため息を漏らし飯田のもとへ行く。
なんだ？と言う飯田の頭上に手を伸ばし＿躊躇いもなく飯田の髪をちぎった。
プチ、と軽快な音が鳴り、咄嗟に頭を抑える飯田にごめんね、と言ってスタート地点へと戻った。

「よーい、START!」

開始の掛け声が鳴った瞬間。ぱくり、と飯田の髪の毛を飲み込む。脹脛に異物が入り込むような、そんな感覚の後、脹脛にエンジンが生えた。周りの驚愕の声を無視し、我関せずと飯田の個性を使い”４秒２３”という記録を叩き出した。

「一体どういうことなんだ！」
『ども。』

言い寄ってくる飯田に感謝の言葉を述べ、私は次の種目で使う人の髪の毛をちぎりに行った。

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「それじゃ結果発表ー。」

相澤がリモコンを操作し、出てきた文字列の中に４位に自信の名前が入っているのを見て、ふぅ、と張りつめた息を吐いた。
最下位はボール投げでものすごい記録を出した緑谷だった。どこか覚悟を決めた緑谷の顔を見て緑谷が除籍されるのをもったいなく感じる。

「ああ、ちなみに除籍は嘘な。君らの最大限を引き出す合理的虚偽。」

は、と声が漏れる。せっかくしみじみとしてたのに！横暴教師！心の中で文句や野次を飛ばしているとものすごい目で睨まれた。心読めるの？こわ。
＿まあ、なんやかんやあったがこうやってクラスメイト全員がこの試練をクリアしたという事実に、胸が暖かくなった。

※

『おい、緑谷デク。あと眼鏡と茶髪。』
「エッ、あ、ハイ！」

授業が終わり、緑谷に声をかけると、緑谷はビク、と肩を揺らし、ググ、とロボットのように少女の方を向いた。

『一緒に行く。』
「なんだ、志垣君も駅まで行くのか？あと俺は飯田天哉だ！」
『うん。』
「そうなんや～！おそろいやね！あ、私は麗日お茶子！お茶子でいいよ！」
『お茶子。』
「えっと～、僕は緑谷出久です。」
『デク。』

デクです、と何故かデクは顔を真っ赤にして肯定する。「それ、二回目や～！」とツッコむお茶子と「緑谷君！？」と驚く飯田。なんだがその空間が居心地よくて、ふふ、と笑ってしまった。

※

(((笑った...！！)))