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背後から抱きしめたまま荒く息を吐いた彼に、どう言葉を渡せばいいか分からなかった
グルッペン
「死んでくれるな…」
一気に走ってきたのだろう
息は荒いし声は切羽詰まっているし、抱きしめる力は二度と離してくれなさそうな強さで…
「死んだら、帰れるんですかね」
グルッペン
「さぁ」
見込みは薄いか、と遠い地面を再度眺めて力を抜くと、グルッペンさんの腕の力も少し緩む
…そんなに止めたかったのか
「随分ですね」
グルッペン
「……すまない、貴女に＿＿＿」
「過去の棺と呼ばれた方々が長生きしない理由って、こういった理由もあるんじゃないですか」
自ら命を絶った方も多いのでは？
殺させた人も居たのでは？
そう尋ねれば、グルッペンさんは少し考えた末に頷いた
でしょうねとしか返せない、予想通りの感想
「一つ、聞いてもいいですか」
はっきり疑問に浮かんで、疲れ切った脳が刺々しく攻撃的になっていく
強い言葉を、キツい言葉を、嫌な言葉を使いたいわけでもないのに敵意を勝手に剥き出しにして怒りを、嫌悪を露わにする
「どうして、無償の愛を当たり前に思ってるんですか」
愛してくれるはずだからってなんでもしていいの？
私は親元を、家族も友達も周辺の環境全てから切り離されたのに？
愛しているから愛してくれるはずとか、蛙を金と称して払えばそれは金だから商品も買えるだろって意味の分からないことを言ってるに等しいのに
「棺だから愛してくれるって、根拠にならないじゃないですか
そのための存在だからなんですか？
…神が人間から供物を送られたって助けない時は助けないこともきっと分かってるでしょう…？
それなのに…
なんで私は、棺は全てを受け入れてくれると…？」
シスターも神父も結局は人間だった事件も歴史も沢山ある
ここでなくてもそれを知っている
「好きと伝えたら好きと返してくれる？絶対に…？
そんなの鸚鵡返ししてくれる人形に頼んでくださいよ」
ただ欲をぶつける人形になんて、なりたくない
私は…普通に…
ただ、ただ普通に生きていたい
誰かを愛することが義務じゃなくて、愛したい人を愛して…程よく愛されていたい
贅沢な悩みとか言われたって困る
私だって望んでない
…帰りたい
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もろこし(プロフ) - コメント失礼致します。世界観、物語の展開とても好みで更新楽しみにしております。応援しております。 (2022年11月20日 1時) (
レス) @page26 id: 63f7f0517d (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - 新作おめでとうございます！主様の文才と設定、そして世界観にいつも感激しております…更新されるたびに大喜びで読ませていただいております。主様のペースで更新頑張ってください！ (2022年11月14日 2時) (レス) @page24 id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)
詩紀(プロフ) - 面白いです！！！これからも応援します！！！ (2022年11月13日 14時) (レス) @page24 id: 6da3ecdec3 (このIDを非表示/違反報告)
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