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夜風にあたれば多少楽になってきて、やっと一息ついた気持ちになれた
「それにしても…」
夜風に当たりたいが目的で出てみたバルコニーから見える街の風景は夜の始めとはいえとても美しくて、夜景は美しいのだと元の世界でも評価されていた理由がよく分かる
暗闇の中で光が集まっている景色は不安定なのに、力強かった
…ちょっとどころか大分違うには違うけれど、暗闇の中に浮かぶ生活の光というのは元の建物の屋根の色などの主張がない
それ故に…少しだけ元の世界のそれを感じ取ってしまう
帰りたいなんて言うなら、また怒られてしまうのだろうし
誰に怒られるかもわからない
ロボロさんとは限らない
それこそコネシマさんとかも怒ったら怖そうだし
「……………あー……」
首を振った
流石に吐かないし、という気持ちよりかは…
一瞬でもこの場所で浮かび上がった希死念慮の手を払いたくて
手すりを掴みしゃがみ込んで、人が死ぬには十分な高さのある遠い地面を眺めた
死んでしまったら、元も子もないのか…それとも悪い夢から覚めてくれるのか、そんなもの定かではない
けれど…求まれるものは随分と心の体力ゲージを削っていくし、度々痛い目苦しい目恐ろしい目に遭わされているわけで…
…確かにコネシマさんのように優しかったり、グルッペンさんのように私第一発言が多い方もいらっしゃるけれど
そういうのじゃ、なくて…
「私が我儘…？これ……」
帰りたいっていうのも許されない、帰ることは勿論許されない
拒絶も肯定も適切な量を保ちましょうって言うわりに、目安も教えてもらえないままのこの現状
「……つかれた…」
自分で死ねないなら、いっそ…トントンさんやエーミールさんに殺してくださいと言えば殺してくれるだろうか
…いや、人を使うのもアレだが、理由を聞かれた時に皆さんの相手に疲れましたなんて馬鹿正直にも言えない
死なば帰れるかもしれないと言ったって、そんなの許してもらえる気がしない
死んで帰った時次第が消えたならなんて言われたら終わりだもん
「………やだぁ…」
バルコニーの隅で、ただ座り込んでいたのだが
落ちる涙をどうしようもできないまま…
このまま死んでしまおうよと誘う希死念慮に更に手を引かれた
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もろこし(プロフ) - コメント失礼致します。世界観、物語の展開とても好みで更新楽しみにしております。応援しております。 (2022年11月20日 1時) (
レス) @page26 id: 63f7f0517d (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - 新作おめでとうございます！主様の文才と設定、そして世界観にいつも感激しております…更新されるたびに大喜びで読ませていただいております。主様のペースで更新頑張ってください！ (2022年11月14日 2時) (レス) @page24 id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)
詩紀(プロフ) - 面白いです！！！これからも応援します！！！ (2022年11月13日 14時) (レス) @page24 id: 6da3ecdec3 (このIDを非表示/違反報告)
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