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痛いのは嫌いだ
嫌いだし、するのもされるのもどちらも嫌だ
けどいっそ、そっちの方が脳内妄想で世界の出来上がった人達より、ずっと楽なのかもしれないとは思った
思っただけで
身の危険は望んでいない
「……ッ…、ｯ……！」
エーミール
「意外…誰か呼ぶものかと思ってました」
壁際に肩を掴んで押しやられ、振れない首でどうにか「そんなことはしない」と伝えようとすると
目の前でニコニコと笑う彼は歩くのを頑張る生まれたての動物でも見るような優しい目でこちらを見た
エーミール
「確かにここで人を呼んでもきっと来ない
貴女の周りを常に見て聴いてるのは私しかいない筈ですし」
見て、聴いてる
それが何を意味するかといえば盗撮や監視、そして盗聴なのだが、彼は平然とそれを自分がしていると口に出した
私の首のそば、スレスレの辺りにナイフの切先を差し出しながら
エーミール
「…ねぇ、アヤさん
棺というのは謎に包まれている
どうしてそんな不思議な力を持ち生まれるのかも、理として知っていてもそれは神話や御伽噺の素敵な設定に過ぎなくて生物学などでは一切の説明が未だにつかない
そんな貴女に惹かれて何年も何年も探してたんです
何も分からない何も知られない貴女がどんな人か…どんな存在か、どんな形か、どんな…どんなって」
ナイフの切先はほんの少し離れた
が、そのまま肩を掴んだ手は力を込められる
エーミール
「そうして貴女の生態を監視する
愛しい愛しい貴女に魅入られて貴女の音を形を見続ける
素敵でしょう」
今にも笑い崩れてしまいそうな膝も時間の問題
壁際であるから、ずるりと崩れてしまえばもう逃げるにはルートがすでに無いに等しく難しいのに…
エーミール
「もっと知りたいんです」
「っ…！」
つい、と切先をまた近づけられた
切先だけではない
体もナイフも顔も近づけられて肩を握る力は更に強くなる
ナイフが突きつけられたのは首ではなくお腹で
エーミール
「貴女の中に詰まった臓物の全て、血液の一滴まで」
まるで恍惚
そんな表情があまりに狂気的で、無い唾を飲み込もうと喉が苦しそうに嚥下をしようとして詰まる
出来ているかも分からない
ただナイフが更に近づけられて…
その切先が服に触れた
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もろこし(プロフ) - コメント失礼致します。世界観、物語の展開とても好みで更新楽しみにしております。応援しております。 (2022年11月20日 1時) (
レス) @page26 id: 63f7f0517d (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - 新作おめでとうございます！主様の文才と設定、そして世界観にいつも感激しております…更新されるたびに大喜びで読ませていただいております。主様のペースで更新頑張ってください！ (2022年11月14日 2時) (レス) @page24 id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)
詩紀(プロフ) - 面白いです！！！これからも応援します！！！ (2022年11月13日 14時) (レス) @page24 id: 6da3ecdec3 (このIDを非表示/違反報告)
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