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彼の長い指を折り曲げて扉を鳴らした
奥から入室の許可が届いて
彼の手がドアノブに触れた
ギィ…と少し古びた様な音を立てて扉が開く
そこには海松色の上着…というか
明らかに軍服と思しきものを着た男性が一人室内で椅子に座り此方を見ていた
だがおかしい
総統を名乗る彼と多少違うにしたって
こんなに色やデザインが変わるものなんだろうか
いや、海軍と陸軍や地位の差の問題なのかな
それにしたってだけれど…
グルッペン
「言っていた棺だ」
ぱち、と赤い瞳が瞬いてから立ち上がり…
流れるように赤色の彼は目の前で膝をついて頭を垂れた
「ゃ……あの、私そんな…ッ」
頭を上げて欲しいがどうにも出来ず
ただ彼の肩に触れて起こそうとしても角度がイマイチ
それなら私も両膝をついて下から彼の肩を押すしかなく
グルッペン
「君が膝をつく必要はないだろう…？」
「私、そんな偉い人じゃ…」
グルッペン
「あぁ、人なんてものじゃない
神なんぞも平伏す筈の存在だな」
なんと？
神すら平伏す…？
そんな要素がどこにあっただろう
その言葉に酷く驚いて顔を上げた時…
目の前にあった赤い瞳がゆらゆらと揺れて此方を見ているのが分かった
「……？」
グルッペン
「疑われているようだが…トントンでこれだ
君の存在というのは神すら泣いて縋って欲するものだ
これは誰がどう見ようが口を揃えて言うだろうさ」
どういうことかなんて全く分からなくて
再度彼…グルッペンさんの顔を見やろうとした時
そっと首元に…赤い彼の手が添えられた
「っ…？」
グルッペン
「死なないようには徹底する
だが生憎…深く深く嵌ってしまえば戻る事の方が難しい
そいつなりの愛情も…受け止めてやってくれないか」
トントン
「ぁあ…棺様…」
きゅ…と力を加えられた手に嫌な予感が過った
けれど身を引くよりも先にその赤い瞳がゆるゆると笑みを浮かべて…
トントン
「ずっと、ずっと…！ずっと…！！
アンタの首を絞めたかった…！！」
白い歯が吊り上がった唇の内側から覗く
赤い舌が声を形にするために蠢く
赤い瞳が小さくなって此方を凝視していた
その手のひらに加えられた力は
簡単に私の気道を押し潰した
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もろこし(プロフ) - コメント失礼致します。世界観、物語の展開とても好みで更新楽しみにしております。応援しております。 (2022年11月20日 1時) (
レス) @page26 id: 63f7f0517d (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - 新作おめでとうございます！主様の文才と設定、そして世界観にいつも感激しております…更新されるたびに大喜びで読ませていただいております。主様のペースで更新頑張ってください！ (2022年11月14日 2時) (レス) @page24 id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)
詩紀(プロフ) - 面白いです！！！これからも応援します！！！ (2022年11月13日 14時) (レス) @page24 id: 6da3ecdec3 (このIDを非表示/違反報告)
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