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恋人って？
そう尋ねると、彼は顔を顰めた
顰めたというか…悲しそうな顔というか複雑そうな顔というか…
チーノ
「………付き合ってるやん…
流石に朝一番それは冗談キツイで？」
ただ彼はそれを隠すように仕方なしに笑って見せる
けど私にとってそれは身に覚えのない話だった
しかも別に時間が飛んだ訳じゃないみたいで、私が来たのはやはり昨日の話だ
「あの…私は…」
チーノ
「もしかして起こしてもうたから拗ねてるん？
なんやもー、びっくりしたやんか…！」
ヘラリと笑った彼は私の頭を抱くようにしてきて、抵抗する間も無く頭を撫でながら優しい声を出す
チーノ
「ごめん、まだ寝てたかったんやな…
でも俺、アヤと飯食いたくて来てもうたからさ…」
一緒に食べよ、と優しく甘く囁くような声が…ねだるようにかけられた
「ゃ、あの…！」
チーノ
「あ、先着替える？」
「違っ…」
パッと離れた彼がまたヘラリと笑って提案してくれるが、それは私が今伝えたいことじゃなくて
違うのだと首を振った時、バンッと壁が叩かれた
その後は鈍く…肩が跳ねるほど大きくて恐ろしい…人を威圧する、そんな音だった
チーノ
「アヤは、俺の恋人やねんから…
朝一緒にご飯食べて、一緒に外出て俺にお仕事頑張ってねってしてくれるまでが絶対やろ？
なぁ？」
優しい声は何処へ
低く苛立ちがはっきり聞いて取れる声が、眼鏡の奥で睨むオレンジの目が…恐ろしかった
「っ、あ…ごめんなさい…」
チーノ
「な、俺はアヤの恋人や
だからアヤは俺の為にもっといいお嫁さんにならなあかんやろ？
俺がちゃんと教えてんねんから、嫌々ばっかはあかんで」
どういうことか分からない
分からない私に、深く植え付けて強く言い聞かせるようにチーノさんは私の両頬を容赦ない力で掴み、顔を寄せた
眼鏡が当たるギリギリで、チーノさんの目が細められて…
チーノ
「分かった？」
「……ひゃ、い…」
チーノ
「ん、ええ子」
頬の手が全て上がって、わしゃわしゃと犬のように撫でられる
チーノさんは満足そうな顔をしていて、安心したが…
彼の言動はよく分からないままで
恋人という大前提が何処から来ているのか、全く見当もつかなかった
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もろこし(プロフ) - コメント失礼致します。世界観、物語の展開とても好みで更新楽しみにしております。応援しております。 (2022年11月20日 1時) (
レス) @page26 id: 63f7f0517d (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - 新作おめでとうございます！主様の文才と設定、そして世界観にいつも感激しております…更新されるたびに大喜びで読ませていただいております。主様のペースで更新頑張ってください！ (2022年11月14日 2時) (レス) @page24 id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)
詩紀(プロフ) - 面白いです！！！これからも応援します！！！ (2022年11月13日 14時) (レス) @page24 id: 6da3ecdec3 (このIDを非表示/違反報告)
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