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とん、と地に足がついたのはどこかも分からない部屋だった
作りからして接客用の部屋の様に感じるが…
信用というよりかは
恐らく私に暴力的なことをしてこないと推察しているグルッペンさんとコネシマさんがいない事に加え
目の前には人が一人
一対一の状態は予想していなくて、震える足を使って数歩後退りしたのだが…
同じ歩数ぐらいで倍の距離を詰められてしまえば簡単に距離は縮まる
「ッ…」
ゾム
「んな怖い顔せんでくれ、別に取って食うわけちゃうんやから
お願い聞いてくれって言ったやろ？
けどほらあいつらがどれほどの仲間とはいえ、聞かれたくないことの一つや二つあるやん」
そう言って彼は、ゾムさんは私にすぐそばのソファーへ腰掛けるよう案内してくれた
正直座ってしまえば万が一の時に逃走出来るまでのスピードは、一気に下がってしまうのだけど
「……ぇ」
私の肩を押して強制的に座らせたゾムさんは、そのまま私の膝の上に跨った
ほぼ真上から見下ろされる感覚も初めてだが…
男性がこの距離にきて密着するのは、先ほど抱き上げられたりしていた時とはまた違う羞恥心が一気に湧き上がる
まさかと思って急いで彼の体を押そうとした時
頭を抱えるかのように抱きしめられた
チャリ、と彼のパーカーにあるファスナーの音がそばで鳴ったのが聞こえた
彼の呼吸が、心音が其々聞こえてくる
至近距離どころか完全密着の様な体勢に、顔どころか体まで恥ずかしさで熱くなっていくのがわかって…
「ゾムさッ…」
ゾム
「……思ったより…
なぁアヤ、こっちの方がええか？」
そう言って手がかけられたのは服の裾で…
指先のほんのり冷たい感触に脳が一気に危険信号を発して、思わず彼の体を突き飛ばした
彼は身軽に、ふらつく事なくその場に立ち上がって…
私が立ち上がったりら横に逃げたりとする間も無くすぐそばの背凭れに手をついて、私の顎を掬うようにして流れるように頬を撫で…体を、顔を近づけた
その綺麗な顔、美しい目をゆっくり閉じて…
「………ッ、やめっ…！！」
ゾム
「………！」
思い切り、乾いた音が鳴った
私の右手がジンジンと痛みと熱を持って、目の前で目を見開いた彼の頬が赤くなる
「ぁ、ごめんなさっ…」
ゾム
「………ッ、ひ…ははははッ！！」
謝るより先に響いた大きな笑い声に、思考が停止した
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もろこし(プロフ) - コメント失礼致します。世界観、物語の展開とても好みで更新楽しみにしております。応援しております。 (2022年11月20日 1時) (
レス) @page26 id: 63f7f0517d (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - 新作おめでとうございます！主様の文才と設定、そして世界観にいつも感激しております…更新されるたびに大喜びで読ませていただいております。主様のペースで更新頑張ってください！ (2022年11月14日 2時) (レス) @page24 id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)
詩紀(プロフ) - 面白いです！！！これからも応援します！！！ (2022年11月13日 14時) (レス) @page24 id: 6da3ecdec3 (このIDを非表示/違反報告)
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