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カチャリと音がする扉を開けてみれば
本当に部屋の前で直立している彼と目が合った
「あ…」
グルッペン
「…綺麗だな」
「ぁ……っ、の…」
声が出なかった
じわ…と涙が浮かぶくらいには怖かった
なんせ…知らない相手である
それがこんなにも…こんなにも美しい顔で
少女漫画の乙女も転げ落ちてしまいそうな言葉を甘く甘く低い声で届けてくる
私がイケメン好きで、イケメンに囲まれてさえいれば良いような女であれば違ったかもしれないが
そんな甘く美しい人からの言葉でも
ただ一つ、知らない人というレッテルの恐怖だけはどうしても拭えなかった
グルッペン
「そう怖がらずとも傷付けるつもりはない」
さぁ、と差し出された手の端に指先を添えた
すると流れるように手を優しく深く握られて
まずはこっちからだとエスコートされる
グルッペン
「まず話をしよう
後々分かることもあるだろうから、幾らか省くが…
此処は貴女のいた世界とは少し違う
だが大凡概念の…いや、この辺はきっと関係ないだろう
知りたいのは…何故貴女を求めたか
あとはこのままどうするつもりか…などだろう」
その通りだった
それにどうして私を知っているのかも分からない
世界が違うとか…
そんなの此方でいうアニメや漫画の世界を見ていたからこそ知っていると言うのと一緒だ
分からないことがいっぱいで、頭が痛くなりそうだった
グルッペン
「君は人を…我々のような奴らを深く深く底の無い沼の様な世界へ魅了する力がある
あまり人に紹介したくはないが…しないことには守れない
あぁ、この辺は入退室に毎度鍵を持つ必要がある部屋ばかりだ
この先の廊下を渡った先の左手には地下牢に続く階段がある
階段の鉄柵は鍵が無いと通れないが…万が一入れるタイミングがあっても入らないほうがいい
人の死と苦悶に触れるのは些か不愉快だろうからな」
それは、どういう意味だ
じゃあ今私はどこに連れて行かれる？
貴方の目的は？
分からないことだらけで、無い唾を飲み込む動作が苦しかった
グルッペン
「拷問を見るのは好きか？
本物の血液を浴びて尚笑えた経験があるならまだしも…
基本はあまり見ないほうが身のためだ」
ﾋｭ…と喉の奥に生温い空気がすばやく通り
腹の底で冷やされる
彼は平然とした顔で私の手を引いた
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もろこし(プロフ) - コメント失礼致します。世界観、物語の展開とても好みで更新楽しみにしております。応援しております。 (2022年11月20日 1時) (
レス) @page26 id: 63f7f0517d (このIDを非表示/違反報告)
かみぶくろ*(プロフ) - 新作おめでとうございます！主様の文才と設定、そして世界観にいつも感激しております…更新されるたびに大喜びで読ませていただいております。主様のペースで更新頑張ってください！ (2022年11月14日 2時) (レス) @page24 id: 789bc89d04 (このIDを非表示/違反報告)
詩紀(プロフ) - 面白いです！！！これからも応援します！！！ (2022年11月13日 14時) (レス) @page24 id: 6da3ecdec3 (このIDを非表示/違反報告)
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