二十五歩目 ページ27
二郎side
「おい二郎、明日は水澤に告るんだって？」
「え！？あ、ああ…」
俺らは今、消灯後の恋バナというやつで何故か盛り上がっている
朝、咄嗟に口にしてしまったことを後悔していた
「いやぁーついに二郎もリア充の仲間入りか、寂しいな」
「まっまだ決まったわけじゃねえだろ」
俺はたくさんの女子たちに告白されてきた
でも、そんなモテると言われる俺が告白する相手が必ずしも俺を好きだとは限らない
明らかにアピールをしてくる奴ならわかりやすいけどAちゃんはそういうタイプじゃねえ
むしろ奥手になる方だと思う、俺の推測だけど
でも決して自分から歩み寄ろうとする子じゃないのは確かだ
「けどお前、水澤と結構仲いいんだろ？」
「依頼を受けに行くときにちょっと話すくらいだけど…」
俺は彼女に一目惚れしたんだ
花が咲いたようにふわりと笑う顔、気配りできる優しさ、真剣な眼差しその全てに心を奪われた
庭の草を手入れしてほしいという依頼が入って兄ちゃんは忙しかったから変わりに俺が行くことになった
それで家を訪ねたときに出迎えてくれたのがAちゃんだった
『疲れないですか？お茶を持ってきたのでよかったらどうぞ』
って俺のこと気遣ってくれて
それからも何回か依頼をされてお家に行くと毎回飲み物とかお菓子とか用意してくれる
休憩時間に俺が話をすると真剣に聞いてくれて、終いには依頼のお礼として代金とは別に俺の欲しかった漫画とか俺の好みのもの色々くれる
だから制服姿を見て俺とおんなじ高校だって分かったときはちょっと嬉しかった
「おいおい、ニヤけてんぞ。水澤とあんなことやこんなことする妄想でもしてたのか？」
「そそそそ、それ以上言うな！妄想なんかしてねぇ」
「でももし告白をOKされて発展したら可能性はあるよな」
お、俺はそんなことしないぞ！
健全だからな
ましてや恥ずかしくてAちゃんにそんな事できねぇ…
「ま、童◯だからまだ無理だろうな、できたとしても10年後くらいだろ」
んな言い方されたらこちとらムカつく
俺がそんなに根性ねえやつに見えてんのか
「そ、そんなことねえ。いつかはやってみせる…って何言わせてんだよ！」
やべ、何俺Aちゃんとやること前提に話してんだよ
あー恥ずい
俺って変態だ…
「二郎が言ったんじゃん。てかやる気だったんだ」
「コイツ！この確信犯め」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
女王(プロフ) - カミサマさん» 応援ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも頑張って更新を続けます！ (2021年6月21日 20時) (
レス) id: c75b1bd3e5 (このIDを非表示/違反報告)
カミサマ(プロフ) - 面白いです！続き楽しみにしています！ (2021年6月21日 20時) (レス) id: 18de018685 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クーカー | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/mmyu671
作成日時：2021年5月5日 16時
