幕間.『独白』 ページ26
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―――そして、
冷静に物事を捉えていられる自分が嫌になる。
これならいっそ、堕ちてしまった方が楽なんだろうか、とも思ってしまった。
仲間が折られていくというのに。仲間が堕ちていくというのに。
ただ、傷付く仲間たちの手当てをするだけ。
見るたびに増える傷に心が軋む。どうして、俺達はこんなことになったんだろうか。
…そう考えていた、数日後のことだった。
審神者の延々と繰り返される悪行を象っているようなどす黒い曇り空を、秋田の暗く深い木の
「…薬研兄さん。空、曇ってますね」
「…ああ」
「ほんの、少し前は…青空、でしたよね」
「…そうだな」
「…動物さんも、みんな……いなくなってしまいました」
「……」
「…兄さん、僕達は、どこで間違えたんでしょうか」
「…きっと、誰も間違っちゃいないさ。
ただ、
「…そう、です…よね」
運が悪かったんだ。だから、こうなってしまったんだ。
…それは、とても苦しい言い訳だったと、今でも思う。
数日後、秋田は折れた。
出陣先である白金台で、と同じ部隊に居た不動が言っていた。
それから、兄弟がひとり、ふたり、よにん、ななにん、じゅうににん、減ってしまった。
残ったのは、三人。
俺と、いち兄と、前田。
…兄弟は、俺を含む三人を除き、全て折れたからだった。
だから、許せなかったんだ。
あんな人間が居るということを。
それを許容している政府も、憎かった。
どろり、と黒く淀んだ感情が、湧きかけた。
でも、あの日を思い出した。
いつかの、幸せな…暖かい記憶。
いつかは、兄弟たちにもう一度あの景色を。
そう願い、秋田と見上げたあの空を見上げる。
相変わらず、何時雨が降るかわからないような曇天だ。
「…ほんの少し前は、青空だったんだがな」
あの時の言葉を忘れないように、心の奥底にまで刻み付ける。
「せめて、次は…」
次が、何時を示すかを俺は知らない。
明日かもしれない。一月後かもしれない。もしかしたら今生では訪れないかもしれない。
だからこそ。
「とびっきり綺麗な、青空を見せてやりたいな」
不確定である未来に、一縷の希望を願うのみ。
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たけち - 続きが気になります＼(^o^)／ (2020年3月1日 1時) (携帯から) (
レス) id: 06009c9279 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 更新楽しみにしていました！やっぱり凄く読んでいて面白いし楽しさがあったり、悲しみもありますが、内容がとても良いと思います！続き待ってます(*≧∀≦*) (2019年12月16日 2時) (レス) id: 83c5ab45b3 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - 続き楽しみにしてます！ (2019年8月30日 3時) (レス) id: 450f830fbf (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - ポメ蔵ｯｯ!!!!!!!!ダメでした。ずっと発狂と涙腺が崩壊してました。続き全裸待機してます。泣きました← (2019年5月28日 13時) (レス) id: 3ebae4acb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ(プロフ) - 刀剣乱舞もFGOも好きなので、クロスオーバーしていて嬉しいです！続きを楽しみにしてます。頑張ってくださいq(^-^q)(p^-^)p (2018年11月26日 1時) (レス) id: bf43542093 (このIDを非表示/違反報告)
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