14.氷のように冷えきった ページ18
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「消えい！」
宙に浮かぶ無数の火縄銃で短刀―――恐らく薬研藤四郎と思われる―――を牽制する。
「へし切！貴様もさっさと動かんか！」
「……っ！主っ！申し訳御座いません、只今そちらに！」
そう言った長谷部は、俺の前に立ち、刀を鞘から抜かずに振るう。
「たとえ、元仲間であろうと……主に仇為す敵は斬る！」
振り下ろされた刀を長谷部がいなし、弾く。鞘には軽くヒビが入ったが、まだ壊れてはいない。
「へし切が漸く使い物になったか……。よし、マスター、行け！」
信長の目が、『外へ行け』と言ったような気がした。
……短刀は室内戦、夜戦を得意とする。
今は室内だが、夜ではない。だから外へ向かうのだと。
「……了解！」
鍛刀場に備えつけてあった壊れかけの戸口に手を掛け、外側へと開く。
外に出ると、後ろから三日月と長谷部が着いてくる。
「立香よ、怪我はないか？」
「ああ、ノッブが守ってくれたし、怪我はないよ」
それから少し経ち、信長が戸口から飛び出してきた。
「マスター！」
「わかってる！」
少しの目配せの後、恐らく一番得意な魔術であるガンドの発動準備をする。人差し指を戸口に向け、指先に集まる魔力を一点に収束させる。
信長に続いて戸口から出てきた薬研藤四郎が此方に向かおうとして足を踏み出す。
――――今だ！
「――――ガンド！」
指先から放たれた呪いの弾丸は、薬研藤四郎の肩に当たった。彼は後ろに倒れ込んで、動かなくなった。
信長は彼の元へずかずかと歩いて行き、何かを確かめるように顔や手首をペタペタと触る。
「……どうやら、気絶したようじゃの。マスター、安心せい。死んではおらん」
ほっとしたからか後ろへ倒れ込みそうになったけど、長谷部が支えてくれたお陰で頭を打たなかった。
「主、大丈夫ですか？」
「あっ、ああ。うん。大丈夫だよ」
少し疲れたのか目眩がした。魔力は土地の霊力の一部を変換しているから多少は平気だけれど、連続して魔術を使用するのは疲れる。
魔力の切れかけた体を無理矢理動かし、ぼんやりとしながら離れに戻ろうとした。
そうしたら、また目の前がぐらついて、世界が反転した。
背中には服の感触。
目元を撫でた手は冷えきっている。
その冷たさがどこか心地よくて、瞼を閉じた。
「――――君は無茶ばっかりするね。僕が出張らなきゃいけないなんて、相当だぞう？」
微睡みの淵で、甘い花の香りがした。
「――――マー、リン……」
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たけち - 続きが気になります＼(^o^)／ (2020年3月1日 1時) (携帯から) (
レス) id: 06009c9279 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 更新楽しみにしていました！やっぱり凄く読んでいて面白いし楽しさがあったり、悲しみもありますが、内容がとても良いと思います！続き待ってます(*≧∀≦*) (2019年12月16日 2時) (レス) id: 83c5ab45b3 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - 続き楽しみにしてます！ (2019年8月30日 3時) (レス) id: 450f830fbf (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - ポメ蔵ｯｯ!!!!!!!!ダメでした。ずっと発狂と涙腺が崩壊してました。続き全裸待機してます。泣きました← (2019年5月28日 13時) (レス) id: 3ebae4acb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ(プロフ) - 刀剣乱舞もFGOも好きなので、クロスオーバーしていて嬉しいです！続きを楽しみにしてます。頑張ってくださいq(^-^q)(p^-^)p (2018年11月26日 1時) (レス) id: bf43542093 (このIDを非表示/違反報告)
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