幕間.『刀の重み』 ページ13
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人を一人斬った。今まで持っていて、慣れていた筈の刀の重さが、何故か随分と重くなった気がする。
「(何故だ……？)」
目の前に居る切り捨てられた人間を見た。心臓を二つに裂かれ、喉笛を掻き斬られた死体が絶望に顔を歪めていた。
随分と滑稽な姿を晒している。見せ物としては最悪だが。
「(悪人を斬ったのを後悔するなど馬鹿馬鹿しい。前任を斬ったのはやはり正解だろう)」
ふと、頭の片隅に残る少女を思い出した。泣きそうな顔をし、ごめんなさい、と呟く幼い子が。
自分は少女がそこまで嫌いではなかった。初代より少し環境は厳しくなったが、悪いわけではない。何度も助けようかと考えた。だが、近付くだけでも怖がられるというのに、近寄れる筈もない。
その後、他の仲間のSOSで、少女は助かったのだ。自分達がSOSを発すれば、少女は保護されていった。
安堵した。彼女はもう、ここに来ることを強制されることはないと。
だが比べてどうだ。前任は憂さ晴らしに殴る蹴る。気に入らない奴には単騎出陣。気に入った奴は夜伽。怒らせれば刀剣破壊。
まるで地獄の底で肌を焦がすような炎に包まれながら腹を捌かれてるような、そんな気分だった。
そんな悪人を斬ることを心の中で悪いことだと言う自分が居る気がした。
「(違う、俺は間違ってなど____)」
そうだ、自分を正当化しないと済まされない。
命の重みは、初代に習った。その事が心に残りながらも人を斬った。それを自分は後悔していたのだろう。
「そうだ、それに間違いなど………ない、だろうに……なのに………」
心臓が痛む。ずきずきと痛む心臓を抑えて息を吸って吐く。人を斬るのは、こんなにも心が痛いことなのか。
敵は勿論斬る。人を斬った記憶もある。なのに何故だか、どうしようもなく苦しい。
「(___これが、人を殺すということなのか)」
こんな気持ちに二度と浸りたくない。人を殺す度にこんな痛みをくらうなら……人を殺さないように刀を仕舞い、感情を殺すだろう。
人の感情というのは、やはり苦しいものだ。あるだけで、悲しみ苦しみ憎んでしまう。
「(こんなにも、苦しいんだな)」
かつては守るために抜いた刀を、憎たらしくて抜いた。
守るべきものを全て忘れて。
感情の荒波に飲まれ、刀を振り上げた。
その一瞬で肉を裂いた、血管が切れた、動脈から血が吹き出す。
斬ったとき、重さに慣れていたはずの刀は………
自分の感情の重みで、抜けなくなっていた。
追憶.『壊れかけた人のような』→←10.「ありがとう」と笑ったのだ
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たけち - 続きが気になります＼(^o^)／ (2020年3月1日 1時) (携帯から) (
レス) id: 06009c9279 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 更新楽しみにしていました！やっぱり凄く読んでいて面白いし楽しさがあったり、悲しみもありますが、内容がとても良いと思います！続き待ってます(*≧∀≦*) (2019年12月16日 2時) (レス) id: 83c5ab45b3 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - 続き楽しみにしてます！ (2019年8月30日 3時) (レス) id: 450f830fbf (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - ポメ蔵ｯｯ!!!!!!!!ダメでした。ずっと発狂と涙腺が崩壊してました。続き全裸待機してます。泣きました← (2019年5月28日 13時) (レス) id: 3ebae4acb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ(プロフ) - 刀剣乱舞もFGOも好きなので、クロスオーバーしていて嬉しいです！続きを楽しみにしてます。頑張ってくださいq(^-^q)(p^-^)p (2018年11月26日 1時) (レス) id: bf43542093 (このIDを非表示/違反報告)
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