第一章__三節『マイ・ロード』 ページ9
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夜だ。全てが寝静まる時。
この夜に彼らは夢を見る。
知らない誰かの夢を。
彼らはそれを大切なものとして、心に刻むだろう。
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「やあ！マイロード！さっきぶrﾍﾌﾞｯ」
「マーリン死すべし慈悲はない！！！」
「マイロード酷い！七騎の勇者に夢で殴られたの僕だけじゃないかな！」
「当たり前だよ、だって私だし」
「知ってた！………まあいいかな、というわけで本題だよ。この世界の注意点を言っておこうか」
「へー。何かやばいことでもあったり？」
「そうだね、スキルに『魔術』があっただろう？それは持ってる人は異世界人だけでなおかつ魔術師じゃないと手に入らないんだよ。
そっちの世界では魔術師は今は居ない。つまり今は君だけだ。
しかも少し昔に魔術師が召喚されたときにそのことが知られてね、そっちの国の偉い人たちが魔術師を血眼になって探してるのさ。というわけもあってね………魔術スキルを持ってると、最悪の場合は戦争が起こるかもしれない」
「…………………えっ！？それやばいじゃん！？どっどどどどどどうしよう！？私、もうスキルを鑑定に通したよ！？」
「その点については大丈夫さ。しっかり幻術施しといたからね。君に干渉したのはそのためさ！」
「マーリン用意周到過ぎ！？やばい！グラキャスやばい！」
「ふふん。呪文は噛むけどね！……ああ、そうそう、もう一つ言っておかなくちゃね」
「へ？何？」
「君たちは七騎の勇者として召喚された。それも魔王を倒すために。
その魔王の城と思われる場所を視たけど……あの魔王は、君しか敵に見えていない。他の勇者を敵だと思っていないんだ」
「え？それはどういう……」
「ごめんね、時間だマイロード！また僕に会いたいなら魔術のスキルレベルをカンストさせることだ！じゃあね！」
「あっ、おい待って！話の途中………」
「いずれ気付くから！頑張るんだよ！マイロード！」
「………………はぁ」
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朝。空には太陽が上り始め、人は活動を始める。
「………ふぁ〜ぅ…………変な夢だったなぁ…………」
呑気に欠伸をした彼女が想定外の目に遇うまであと___日
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