抗います【鬼滅の刃】

第弐拾漆話 ページ29

〜不死川目線〜

A「すみません、今から話します」

彼奴は、かなりの間黙っていた。

怒りを収拾させるためだろうなァ。

見てみろ。

あの拳、強く握りすぎて先刻までは真っ赤だった。

どんだけ情が厚いんだって話だ。

俺は桃原に告げられた、

俺を稀血としか価値が無いとAが言ってたってやつ

ありゃ嘘だな、とこれで確信出来たぜ。



A「──一週間前、私は桃原さんに呼び出され、報告書を代わりにやれと頼まれました。それは本人がしなければいけないこと、私は断り、その場を後にしようとしたんです。

そのときに、桃原さんは標的を胡蝶さんに変える、…他、胡蝶さんを侮辱するような発言をし、怒りで感情の収拾が付かなくなり、後は皆様があの日、見たような状況です」

Aは淡々と説明するが、

なんとか平静を装ってるってとこかァ？

侮辱、ねェ…

俺の記憶じゃ、Aがあんな感情的になったのは一週間前のそれだけだ。

相当なことだろうなァ、Aが取り乱すくらいだからなァ。

桃原の意見とは喰い違ってるが、

ほぼ確実に、Aの言ってるのが事実だろ。

つか、桃原は何がしたいんだかなァ。

面倒臭ェ。

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