及川先輩の命令:素直になりなよ

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「…及川さん？どうしたんですか、一年の教室に」


「あ、国見ちゃん」


声がして、振り返ると、金田一とよくいる男の子がいた。


…名前は…知らなかったけど。


「…もしかしなくてもその子が藤原ちゃん、ですか？」


「え？私のこと知ってんの？」


思わず身を乗り出して聞いてしまい、恥ずかしくなった。


虚ろな目を揺らし、ふむ、と手を顎にやる。


まあ、喋ったことない女子から急に言われたら困るか。


「いや、そこの及川さんが部活でよく言ってるから。藤原ちゃんがあーだこーだって」


「国見ちゃん説明ざつ！」


及川先輩を無視して、国見くん？が金田一の席に近づく。


そういえば、金田一を見ない。


国見くんはどうしてこの教室に来たのだろう。


「国見くんも、どうしたの？」


「？あー…金田一の鞄から盗んだ筆箱机の中に入れといたら反応面白そうだと思って」


「「ぶは！」」


さっきの妙な雰囲気はどこへやら。


国見くんの言葉のせいか、驚く金田一が面白いほど簡単に思い浮かんだ。


及川先輩と一通り笑った後、まだこみ上げてくる笑いを抑えて


「国見くんって面白いっ」


と言うと、国見くんはちょっとだけ口元を緩めて


「それほどでも」


と言った。

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