及川先輩の命令:素直になりなよ

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ゴロンッ


自室のベッドにダイブする。


結局、放っておけなくて。


校門で待ってて、足のこと聞いて、家まで送って。


…途中自分の家に帰る道間違えたけど。


「ちょっと迷惑だったかな…」


いつも、誘われる側。


誘うのなんて、本当に暇な時とかじゃないとしない。


だから、迷惑じゃなかったかって、今頃心配になる。


枕に顔をうずめて、すん、と洗剤の匂いを嗅ぐ。


やっぱ、違うな。


さっきまで隣で香っていた、香りとは似ても似つかない。


甘くも爽やかな、匂い。


ふわりと香ったそれに、胸がざわついた。


“ちょっとキュンとした”


冗談ぽく言えないと思ったから、そっと心で思っただけ。


ノリもよくて、よく笑って、一生懸命で、…一途、で。


あの子に想われていたのは、どんな人なのだろう。


急に、そんなことが気になった。


…まぁ、いいか。俺には関係ないし…。


そう思っていることは確かなのに、手が携帯に伸びるのはなぜだろう。


“LINE、教えて”


藤原ちゃん


まだトークの痕跡がゼロの、そのアカウントをタップする。


もう、寝ているだろうか。


返事は返ってくるだろうか。


不安を少しだけ抱えたまま、藤原ちゃんにLINEを送った。


((今日はおつかれ、足ちゃんと手当した？

((ところで、藤原ちゃんの好きだった人ってどんな人？

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