高校生の時の話。 ページ9
いつも通り徹くんのいない、珍しくバイトのない休日。
今日のご飯は何にしようと思いながらお昼のサスペンスを見ていた。温泉女将ものだ。あまり見ないでほとんどBGMのような感じだが。
「あの女……財産目当てに決まってるわ！」
今日のテーマはどうやら恋愛関係のもつれらしい。
基本そういうのとは縁遠い私たちだが、付き合いたての時はいろいろな問題もあった。
徹くんが私を泣かした、とは言っていたが、別に泣かされたわけではない。ただ、彼にとっては思っていた以上にトラウマだったらしい。
私は忘れるくらいなのに、なんだか申し訳ない。
幸せの方が勝るから、そういう記憶が早々に薄れていくのかもしれない。きっとそうだ。
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私たちがそれぞれ高校生だった時。二年生と三年生だったわけだが、まだまだ私たちは子供だった。
そもそも私は徹くんが初めての彼氏で、恋愛に関しても右も左もわからないようなものだったのだ。
付き合うようになったきっかけは特にない。お互いバレー部だったこともあり、よく話すことがあって、ある日突然「気になってるんだよね」と衝撃の言葉が落とされた。
徹くん曰く、「一生懸命頑張ってるのに鈍臭すぎて目が離せない。ドジっ子とか可愛いレベルじゃなくてある意味危険で面白かった」らしい。彼の気になるポイントがよく分からないが、まあ置いておこう。
そんなこんなで、私も徹くんを目で追うようになり、私もまた部室に向かっていた彼のジャージの袖を掴んで「私も気になってます」と言ってしまったのだ。
その時の「え？ 何が？」と返してきた徹くんのポカンとした顔は今でも忘れられない。
始まりは「気になっている」からだった。「だったら付き合おう」となって、好きだから付き合ってください、という始まり方ではなかった。
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ことり(プロフ) - こむさん» お返事遅れてすみません……！ 完結いたしました、素敵、と言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます！ (2018年10月31日 15時) (
レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - とても素敵ですね。 (2018年10月24日 21時) (レス) id: 11831258d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2018年9月22日 0時
