デートも後半戦 ページ6
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「徹くん徹くん、見てあのぬいぐるみ」
「これ以上増えたらAがそればっか触るからダメ」
「むう」
「そんなかわいく拗ねてもダメです!」
ダメだったか。
徹くんと一緒に寝るときにぬいぐるみを持っていくと前にぷりぷり怒られたし、今回は諦めることにした。
キラキラした華やかなお店も、入りにくそうな顔を一切見せずに徹くんはつきあってくれる。
私はあまり優柔不断じゃないから、物を買うとき時々「どっちがいい?」と聞くとすごく嬉しそうに考えてくれるのだ。
一つ気に入らないところがあるとしたら、かっこいいからいろんな人に徹くんが見られちゃうことかな。
「徹くん女の子に見られすぎ。嫌」
ぎゅーっと腕に抱きつくと、歩きながら徹くんが私の方によってくる。
「それ俺のセリフなんだけど。A見られすぎ。俺の彼女なのに」
自分も言ったことだけれど、いざ言われてみるとぎゅーんと感情がたかぶってしまう。
かっこいい、とか、かわいい、とかじゃなくて。
あー、好きだなーって
「とーるくん」
「はあい」
「今日ね、プレゼントあるよ」
「それ言っちゃうんだ」
柔らかく笑って、「俺もあるよー」と小さな小包を出して揺らす。
それわざわざ出しちゃうんだ。
「クレープ食べてね、」
「うん」
「そのあとプレゼント交換しよ」
「どこでしたい?」
どこ、と聞かれると困ってしまう。別に場所は、そんなに。
「あ、じゃあさ」
徹くんが何かを思いついたみたいだ。
少しだけ幼い、かわいい笑顔で人差し指を立てて提案する。
「今からお家帰って、ご飯とお風呂済ませて、ドライブいこ。夜景でも見てさ、そこで、交換!」
「! それ、いい! すごく素敵!」
「でっしょー?」
わくわく、ドキドキ。
家に帰るだけでも楽しみだなんて。
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ことり(プロフ) - こむさん» お返事遅れてすみません……! 完結いたしました、素敵、と言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年10月31日 15時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - とても素敵ですね。 (2018年10月24日 21時) (レス) id: 11831258d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2018年9月22日 0時