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滑走09 ページ16

冷たい雫が頬を伝って、落ちる。


雨にぬれた制服はぐっしょりと重く、肌にべとりと張り付いて気持ちが悪かった。


けれど、そんな自分の格好よりも。


それよりも、さっきの彼が忘れられなかった。


長いまつげにキラキラと雨の雫がのって反射して、黒い瞳はユラユラ揺れる。


長い腕がだらりと力なく垂れていて、雨にぬれるのも気にしない、そんな顔。


俺を蔑むような、拒絶の色の瞳の中に。



確かに、期待の色を見たんだ。



「及川てめっなんつー格好してんだ!風邪でもひいたらどうす、る……及川?」


「っはは、ほんと、目だけは素直なんだよねぇ、あの子」


ぴしゃん、


ローファーが水たまりを蹴る、音。


「…お前に目ぇつけられたら終わりだな。可哀想な一年坊主だ」


はあ、と俺に聞こえるように大きくため息を吐いて、傘を差し出す。


受け取って「もうずぶぬれなのに」と言うと、思い切りデコピンをされた。


「まあ、チームにとって〜みたいな感じのことは言わないよ。そんなのただの建前にしかならないから」


「…へえ?」


ポタポタと跳ねた髪から鬱陶しく落ち続ける雫を弾いて、傘をくるりと回す。


そうすると、またぴちょんぴちょんと雫が跳ねた。


「じゃあお前は何のためにあいつに絡んでんだ?」


分かるくせに、わざとらしく笑って岩ちゃんは俺に問う。


だから俺も、それにのるんだ。


「う〜ん、そうだなぁ」







「俺、あいつのレシーブでトス、上げてみたいと思っちゃったんだよね」

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ことり(プロフ) - 春高までかきます!宜しくお願いします! (2016年6月6日 19時) (レス) id: 805f2a831a (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - ウメナさん» ああありがとうございます!!かきます!大好きと言ってもらえて幸せですっっ (2016年4月24日 14時) (レス) id: 805f2a831a (このIDを非表示/違反報告)
ウメナ - 春高まで書いてください!この作品が大好きです! (2016年4月24日 7時) (携帯から) (レス) id: 4c5ddacfd6 (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - 梟さん» ありがとうございます!すみません更新が滞ってしまっていて…。わかりました、コメント本当にありがとうございます! (2016年4月22日 6時) (レス) id: 805f2a831a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初コメ失礼します。個人的にはこの作品、とても面白いので春高まで書いて欲しいです!ですが作者様、無理はなさらないでくださいね! (2016年4月21日 16時) (レス) id: 1c7d8948c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことり | 作成日時:2015年12月20日 20時

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