【HQ!!】長身リベロ女顔少年は今日も滑る。

失速04 ページ13

なんだか何が正解か分からなくなってきて、試合の結果も見届けずに、家まで帰った。


ジリジリと肌に直接照りつけるような太陽が、俺の心まで焼いてしまうようで。


ポタリと垂れた汗が、じわりとアスファルトに滲んでいく様は、俺が強豪というものに対する黒い感情のようだった。


玄関を開けてリビングのソファに座る。


壁に掛けられた数々の額縁の中には、小学校の頃からの俺と姉のバレーの成績を讃える賞状が入っている。


いつだってこれらが誇らしく、自信であった。


今俺がいる中学は、強豪ではない。


けれど、今の代は本当に仲が良く、誰もが上へ行けると信じている。


姉の、学校は。


強豪ではあるけれど、仲が良くないらしい。


仲がいいなどが関係あるかと思われるかもしれないが、これは本当に大事だ。


コートの中で変に気を使っていても、自分のしたいこと自分のできる最大限を発揮できないから。


(…正直、少しは憧れもあった)


強豪という肩書きに。


それだけで強そうだし、やはりやるからには少しでも上へいきたい。


けれど、それも今日で終わり。


俺は、今いる仲間で最後にしよう。


最高の仲間。彼らとするバレーは本当に最高なのだ。


もう、今ので、充分だ。

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