【HQ!!】天才リベロ美少年は今日も逃走中。第二幕

逃走06 ページ9

冗談で言っているのではないと、すぐに分かった。


彼の強い意思は誰の目にも見えていて。


誰もその言葉を笑おうとはしなかった。


「…たしかに足りねぇ」


声を、漏らす。


目を合わせると、強気な笑みのAがいた。


「さすが飛雄」


まだ名前を呼ばれることに慣れていなくて、何と無く気恥ずかしくて何も言えずただ頷いた。


「…全国行ってすぐ負けたら格好つかないもんな」


主将の、低く、それでいて明るい声が響く。


みんなの中の、目標が一つになった。


このチームなら。


このチームなら、全国制覇も夢ではない。


手を開いては閉じを繰り返す。


きもち、よかった


練習よりもずっと、今日のあいつのレシーブは最高だった。


練習が悪いわけではない。むしろ、完璧なぐらいだ、いつも。


けれど、今日のは。


軌道だって、距離だって、何もかも。


ここにほしい


そう思ったところに、吸い込まれるようにきた。


そりゃあ、強いボールや変化するサーブとか、取れないボールだってある。


けれど、どんなに体制が崩れようがすぐに立ち上がり、狙ってきたボール綺麗にあげて。


西谷さんとはまた違う、天才だとか言う奴だと思った。


あんなに、あげやすいレシーブは初めてだ。


「どうした？飛雄」


「…いや、なんもねぇ」


妖精などに例えられる綺麗な顔をじっと見ながら、また手を握った。

逃走07→←逃走05

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー食べ物

すし

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す