【HQ!!】天才リベロ美少年は今日も逃走中。第二幕

追跡者 ページ7

やっと見つけた。


祖母が宮城にいると言っていた彼の言葉を辿って、それらしい掲示板をひらいたら。


「…ビンゴ」


さがしていた彼を、やっと見つけた。


そいつはまたバレーを始めたらしく。


また天使だとか言われていた。


今、あいつのレシーブを手のひらで受け止めているセッターが羨ましくて仕方が無い。


あの手に吸い込まれる感覚を、言葉で形容できないぐらいの快感を。


俺以外のセッターが知っていることが、憎い。


あれの気持ち良さを知っているのは、俺だけでよかったのに。


なあ、



なあ、A。


そこでお前はなくした笑顔を取り戻したか。


聞きたいことが、言いたいことがたくさんある。


でも、それを聞くにはお前に会わなければいけないんだ。


だから、絶対に、全国へ来い。


俺も、絶対に行くから。


俺と違う高校で、お前がどんな風にプレーをしているのかは分からないけれど。


同じ土俵に上がるまで、俺はお前のいる高校を認めない。


「どーしたん俊哉携帯見てニヤけとるけど。あ！変態さんですかぁ」


「ちゃうわアホ！」


隣にいたクラスメイトをポカリと軽く叩いて、携帯をカバンに戻す。


「…親友に会えるかもしれんくてな、嬉しくなっただけや」


ちがう。それだけじゃない、そうじゃない。


お前がまた兵庫に戻ってくることを期待してる


そう考えると、少し嬉しくなっただけ。

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