【HQ!!】天才リベロ美少年は今日も逃走中。第二幕

逃走32 ページ38

最終セットが始まる。


これで、すべてがきまる。


ドクドクドク…


あ、やばい、かも


珍しく、僕の心臓は激しく鼓動をうつ。


体が強張って、今更手が震え出した。


「なんだ緊張してんにょ、の、か！！」


「かんどるやん。…ふ、はは、翔陽に言われたら終わりやな」


「プ、確かに」


「お前らやめろー」


こんな時にも流れる、いつもの僕らの雰囲気。


気づけば力が抜けていて、自然に笑えていた。


「正真正銘の最後だぞ。…いくぞ！全国！」


コートに立つ。


「勝て！烏野！！」


ふと声がきこえて、応援席を見上げると。
そこには


「伊達工…」


彼らが、いて。


今までの試合が、走馬灯のように頭を過る。


戦ってきた相手チーム。
数々の敗者の上に僕らは立っている。


.*.*.*.*.*.*.*.*.*.


「…やっぱり欲しかった？あのリベロ」


「…分かるか？」


「牛島のモロタイプだろ」


「？…ああ」


ネットの向こうでは、目を輝かせた烏たちが今か今かとボールを待っている。


間近で見た彼のレシーブは、やはり極上のもので。


今すぐこのネットの境界線をこえて、黒い翼を剥いで白い翼を彼につけてやりたかった。


「…まあ、あいつの能力がよかろうが、今は倒すべき敵だ」


「そうだね」


「全国にいく」


「うん」



ピーーッ

逃走33→←敗北者:考察

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
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