【HQ!!】天才リベロ美少年は今日も逃走中。第二幕

逃走31 ページ36

15-11


点数をとっている。…けれど、点差が縮まらない。


焦るな、焦るな。


「一本！」


僕のミスで何点相手に手をやった？何本まともなレシーブが飛雄まで返った？


「くそ…！」


王者はまだぶれることない立派な玉座に座っていて。まだ一つも、揺らせていない。


一セットとったからって、油断したか、馬鹿。


20-15


僕に羽があったなら


何度、そう思っただろう。


ほしい


翼が、羽が


力が。


『レシーブだけでもコート立てるで！』


誰だったか、いつだったか言われた言葉。


コートに立てても、勝てない。


それじゃあ、意味なんてないじゃないか。


「きみ、顔に出やすいクセ直した方がいいよ」


「え？」


ペチ、と手を合わせてコートを出る時に蛍が言う。


そんなに顔に出ているのか、と少し悔しくなった。


「もうちょい楽に構えろ。力んでんぞ」


「っはい」


「眉間にシワができてますよ。綺麗な顔がもったいない」


「はい…」


ぺこ、と軽く頭を下げてから忠たちのもとへと向かう。


ベシベシッ


「っだ！？」


すると、顔を見合わせた瞬間木下さんと成田さんが連続でデコピンをしてきた。


それに気を取られていると、いきなり後ろから脇腹を掴まれる。


「ファ！？」


「っはは！そんな叫べる元気あんのかよ！」


「え？」


「うん、コートの中で存在消えそうだったぞ？」


まだこの場の状況をのみ込めていない僕に、笑顔を向けるみんな。


「もっとエンジンかけてけよ！」


わし、と汗を気にせず頭をかき回してくる。


なんだか酷く泣きそうになって。


絶対にこのチームで勝ちたいと、改めてそう強く思った。

敗北者:考察→←追跡者

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー食べ物

すし

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