【HQ!!】天才リベロ美少年は今日も逃走中。第二幕

逃走28 ページ32

準決勝があって、そしてこのまま今日は帰る。


一試合しかしていないのに、とても疲れた。


ただでさえ大会は練習試合と違って体力が消費されるのに、今日はフルセットでしかも青城とだったのだ。


バスの中はみんな眠っているせいか静かで。


時折聞こえるイビキに少し笑そうになる。


「いや〜みんな今日も本当にすごかったですね！」


「先生声枯れてんじゃねぇか」


「そりゃもう！叫びすぎて！そういう烏養くんだって枯れてるじゃないですか」


「い、いいだろ！…みんな寝ちまったか…」


「あ、僕起きてます」


「「ホァ！？」」


静かな車内には、声がよく響いて。


たった一人で二人の会話を聞いているのも面白くないので、ヒョコりと通路側に顔を出した。


そっと、隣の蛍を起こさないように先生方の後ろの席に移動する。


「寝てもいいんだぞ」


「や、僕車内であんまり寝れへんタイプなんですよ」


「ああ、そうでしたか！」


「最後オーバーカットあがってたじゃねぇか、今日」


少し嬉しそうな烏養さんの声が聞こえて。顔は見えないが、弾んでいる声の調子で、彼はきっと笑顔なんだろうと思った。


「スガさんが、レシーブとの共通点とか教えてくれて…。やっぱりまだまだですね」


「マイナスなこと言ってんなよ、お前には次の決勝でもっともっと働いて貰うんだからな」


「ー…はい」


決勝。


ついに、あの人のスパイクを受けるんだ。



まだ及川さんのサーブの余韻が残る腕に、そっと触れた。

逃走29→←そしてまた新たな青葉がツルをのばす

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー食べ物

すし

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す