逃走25 ページ28
24-20
首の皮一枚繋がった、一点。
…ああ、なんていい舞台だろう、ここは。
シュル…
手のひらの上で、鮮やかな色のボールが華麗に回る。
しっかりなじんでくるソレが、心地いい。
点数を重ねるたびに、プレーを重ねるたびに。自分の調子があがっているのが分かる。
「ー…信じてるぞ、主将」
ピッ
笛のなる前に聞こえたそれ。
頼もしい仲間の背中を見ると、口角が上がる。
ドッ、
手に、ボールの感触。
その直後、飛雄と目が合ったような気がした。
…うん。そうだよ、飛雄。お前の出てくる所を狙ったんだ。…見えにくいだろ？そこって。
「っんのボゲッ！」
あがった、というより後ろに高くあがったボール。
妖精くんのところへと。
高くあがっているため、余裕があるように見える。
誰にあげる？今のローテで、彼の位置からの二段トスが最も打ちやすいのはレフトにいる主将くん。
一番打ちにくいのは、利き手じゃない方からトスが上がってくるエースくん。
チビちゃんは、センターで二段トスを打つところなんて見たことがないし。
考えを張り巡らせる。
この一点が、重い。
絶対に、このチームを勢いにのせたままセットを獲らせたくはない。
「翔陽とべぇえええええ！！！」
それは、ほんのいっしゅん。
察した主将くんはアタックラインよりも後ろに下がり、翔陽はそこへと下がる。
「ぶちかませ日向！」
「…っ！持ってこぉおい！」
ほぼ無回転のボールが、彼の手元へと一直線に向かっていく。
「ごめんズレた！翔陽手の振り早く！！」
多少のズレ。それも、妖精くんの言葉のおかげか、チビちゃんは持ち前の反射神経でそのトスを打ち切った。
25-20
笛の音も、歓声も、仲間の声ですら耳に入らない。
あいつは、いまなにをした。
オーバーならまだしも、彼はアンダーであそこまで完璧な変人速攻を再現してみせた。
ほんと、すごすぎるんですけど。
…ああ、でもー…
「…みんな聞いて」
「妖精くんの弱点が分かったかもしれない」
おかげで、君の弱いトコロがわかったよ
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ことり(プロフ) - 美咲さん» はい！ありがとうございます！ (2016年6月7日 19時) (
レス) id: 805f2a831a (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - ことりさん» いえいえ(*^▽^*) これからも頑張ってください！Ｏ(≧∇≦)Ｏ (2016年6月7日 18時) (レス) id: 85a429a429 (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - すみません！これを書いた時は3セットマッチだと勘違いしておりまして…ご指摘ありがとうございます、そして申し訳ありません… (2016年6月6日 22時) (レス) id: 805f2a831a (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 白鳥沢戦の最終セットが五セット目ならば点数は15点マッチですよ！もし3セット目ならば五セット目までありますよ！ (2016年6月6日 22時) (レス) id: 85a429a429 (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - ムギさん» 及川さんたちの心情を上手く表現できていたか心配でしたが、よかったです！時々更新できてなくてすみません。今からします！ (2015年1月26日 21時) (レス) id: 16a917a74e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2015年1月9日 23時
