逃走24 ページ27
先制点を取って、そこからの勢いはすごかった。
どんなチームでも勢いに乗ったら、すごい。
流れがくるだけでいつもはできないようなプレーが自然にできるようになって。いつもは決まらないようなボールだって簡単に決まる。
リズム良く入る点数が、重なって、相手を突き放して行く。
24-19
ピーッ
タイムの合図が鳴り、先生たちの元へ駆け寄る。
青城、このセット二回目のタイムアウトだ。五点差といえば、追いつける点差。けれど、点数が点数だ。
あと一点で、このセットを獲れる。
「…このまま最後の点取らねぇと…分かってるな?」
「及川のサーブになりますね」
あと一点だからといって油断するな。五点差あるからといって油断するな。
気を抜くと、すぐに持って行かれるぞ。
意識を高めて、目を伏せる。視界に入る見慣れたシューズが視界に入り、少しうるさかった心臓が静かになった。
ピーッ
「…頼んだぞ」
「はい」
ぐ、と肩を押される。
コートに入っただけで、向こうのチームの雰囲気がビリッと伝わる。
一筋縄じゃいかんな、これ。
鋭く静かな及川さんの目に、意識を全部持って行かれそうになって。
ゾクリとした。
「飛雄ナイッサ!」
背中で、飛雄の気配を感じない。
それぐらいに静かで、集中していた。
バヅンッ
高速のスピンがかかったボールは、ネットぎりぎりの高さ。
…頼む、入ってくれ。
祈るようにそれを見て、カツッとした音を耳でとらえる。
ー…ネットイン
「ぅぐ…!」
白帯にあたったボールは、勢いを殺してネット付近に落ちる。
前衛の及川さんは、それを拾った。
それは、四番…確か岩泉さんという人の元へ。
完全に乱れた。
そう思い、軟打に備えた。…ところ、だったのに。
「岩ちゃん!センター!!」
掠れた大声が、響く。
滑り込んでいたはずの及川さんが、二段トスを打つのに十分な距離をとってセンターを呼んでいた。
センター、しかも利き手じゃない方からの二段トスほど打ちにくいものはない。
普通なら、ここはゆっくり返すところだろう。
なのに。
「決めろ及川ァ!」
バシンッ
24-20
完全に、やられた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー食べ物
すし
733人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ことり(プロフ) - 美咲さん» はい!ありがとうございます! (2016年6月7日 19時) (レス) id: 805f2a831a (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - ことりさん» いえいえ(*^▽^*) これからも頑張ってください!O(≧∇≦)O (2016年6月7日 18時) (レス) id: 85a429a429 (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - すみません!これを書いた時は3セットマッチだと勘違いしておりまして…ご指摘ありがとうございます、そして申し訳ありません… (2016年6月6日 22時) (レス) id: 805f2a831a (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 白鳥沢戦の最終セットが五セット目ならば点数は15点マッチですよ!もし3セット目ならば五セット目までありますよ! (2016年6月6日 22時) (レス) id: 85a429a429 (このIDを非表示/違反報告)
ことり(プロフ) - ムギさん» 及川さんたちの心情を上手く表現できていたか心配でしたが、よかったです!時々更新できてなくてすみません。今からします! (2015年1月26日 21時) (レス) id: 16a917a74e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ことり | 作成日時:2015年1月9日 23時