【HQ!!】天才リベロ美少年は今日も逃走中。

逃走05 ページ7

「なんだ王子様コラ今の時期入部希望ですかコラ」


「とりあえず田中ひっこんでろな」


「ハッ！すんません大地さん！」


それを聞きつけて、坊主の人が絡んできたかと思いきや、大地さんとやらがそれを止める。


優しい顔の人なのに、何故かオーラが素晴らしく怖かった。


「…で、入部希望者なのか？」


なのに、僕に再び向き直った時は普通に優しい笑顔で。


この人は、本当にいい主将なんだと思った。


そんな人の後ろで、日向はソワソワとせわしなく動いている。


「ー…いえ。武田先生の忘れ物を届けに来ただけなんです」


「え!?あー…しまった。入れ違いになったか…。悪い！ちょっと待っててくれないか？」


「え」


「おーいやっちゃん！イス一つ出してくれないかー？」


「え、や、その」


「了解であります！！」


必死に断ろうとするも、あまりに早いテンポの会話についていけず、促されるままにパイプイスに腰をかけた。


「わざわざわりぃな、多分もーちょいで帰ってくるから待っててくれ」


「え？あ、はい…」


先ほどまでボールだしをしていた、烏養さんに話しかけられる。


「…坂ノ下の方ですよね？どうしてここに？」


「あ？ああ…コーチやってんだよ。一応ここの卒業生だしな」


「へぇ、そうなんですか」


会話を続けろ。


部活を見ないように、ただひたすらに話題を考えた。


「そーいやお前、日向に勧誘されてんのか？」

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