【HQ!!】天才リベロ美少年は今日も逃走中。

逃走16 ページ25

結局、考えすぎてゴチャゴチャになった心ははれないまま、練習試合の日になった。


目が覚めたのは、朝の10時で。


起きても、僕の心はずっと靄がかかったままだった。


「…ねむ、」


くあ、っと大きくあくびをして、リビングにいくと、ラップをかけられたお皿が何枚かテーブルに置かれていた。


「あー…ゲートボールやっけ、今日」


ばあちゃんの手書きのメモを見て、昨日の会話を思い出す。


所々はねている髪をいじりながら、一人静かな部屋で少し遅めの朝ごはんを口にした。


チッチッ


無機質な秒針の音が、やけに耳につく。


時間なんて気にならないのに、見てしまう。


今頃、試合をしているのだろうか。


そういえば、影山のセットアップをちゃんと見たことはなかったな。


どうしても、彼らのこと以外考えられなくなって。


それのせいで、とまる箸。


「…どーしたらええねん…」


どうする？


どうしたらいい？


あそこにいけば確実に僕の逃走劇の第一幕は終演へと向かうだろう。


部活へのトラウマがなくなるだろう。


そして、きっと。


烏野排球部にはいるだろう。


…でも、それで、いいのか。


そんな簡単に終わらしていいのだろうか。


考えすぎて、気持ちが悪くなって。


何もかも吐き出してしまいそうになった時。


『迷った時はさ、やりたい方を選べば？俺はいつもそーやし！』


彼の声が、聞こえた気がした。


「やりたい方…」





そんなの。



『…見にこい。』



もうすでにきまってる。

逃走17→←逃走15

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーアルファベット

X

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す