【HQ!!】天才リベロ美少年は今日も逃走中。

逃走01 ページ3

「なーあー、おーねーがーいー！」


「だから嫌やってば」


「そこをなんとか！」


「しつこい」

目の前のオレンジ頭ー…。
同じクラスの男子バレー部、日向翔陽。

毎日毎日僕の周りをうろつく迷惑なチビ。


ここ、烏野のバレー部で、本人曰く【小さな巨人】になる予定らしい。


僕が中学の頃バレー部だったと自己紹介で言った日から今の今もずっと。


こいつは僕をバレー部に飽きることなく勧誘してくる。


「なんで!?なあ、なんでダメなんだよ!?楽しいじゃんバレー!!!」


「…バレーをするのと部活をするのは違うねん」


「え!?部活はバレーができる場所じゃん！」


「まー…そーやねんけど。…なんか、部活【で】バレーをすんのは、僕にとってはちょっとちゃうねんな。バレーをするのと」


僕の長々した文に、日向は頭の上にクエスチョンマークをたくさん並べ、首を傾げている。


自分でもよく分からない文だなとは思った。


けれど、どう言い表せばいいのか分からなかったのだ。


まあ、でも。


結局は僕にバレー部に入る意思なんてない。


「…ごめんな」


僕は知っている。


「んぐ…っ！」


こうやって、【あの頃】を思い出して笑えば。





優しい日向は引いてくれるって。

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