1番星

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まずは見るだけでもいいから動きや流れを覚えよう。



誰か見本になる人いないかなぁ…と周りをぐるりと見渡すと



パッと惹きつけられる人がいた。



一回見てしまうとそこから目が離せなくなるような存在。



この人だ！この人をお手本にしてみよう！！



私がその人に近付いたタイミングで、ちょうど水分補給をしていた。



『突然すみません。私、今日初めてのレッスンで、どうしたらいいかわからなかったんですけど

見本にさせてもらってもいいですか？』



佐久間「いいけど、あんまり細かくは教えられないよ。俺絶対選抜メンバーに選ばれたいからさ。

今は振り入れに集中したいから足引っ張らなければ勝手にどうぞ。」



『ありがとうございます！』



水分補給を終えてすぐにまた踊り始めた。最初は見よう見まねで必死に踊り続けた。



気づいたら3時間以上経ち、お昼休憩を挟むことになった。



佐久間「お疲れ。君見ない顔だけど新入り？」



『はい。昨日入所した桜庭Aです。中３です。』



佐久間「俺は佐久間大介。今年で20歳。

昨日入ったばっかでいきなり選抜メンバーとかどうのって言われてもよくわかんねぇよな。

ま、お互い頑張ろうぜ。」



キラキラした笑顔で彼はにゃははっと笑った。



張り詰めていた気持ちが少し楽になった。



選抜メンバーに選ばれるためには、15曲の振り付けを4日間でマスターしなければならない。



前回のレッスンでは３曲分の振り付けを覚えたが、このペースだと覚えきれずに終わってしまう。



そこで、佐久間さんに協力してもらって、佐久間さんの踊っている姿を撮影させてもらった。



毎日毎日その動画を見て練習したおかげで５曲分の振り付けを覚えることができた。



今日も佐久間さんの後ろについて踊り続けた。



佐久間「ダンスやったことなかったんだよね？

めちゃめちゃ上達してんじゃん。飲み込み早いな。」



褒めてもらえた。すごく嬉しくてもっと頑張ろうと思えた。



そして次のレッスンまでひたすら練習。



寝る間も惜しんで練習し続けた。



そんな日々が続いて、あっという間にオーディション当日を迎えた。

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