【7】お目覚め ページ7
.
ナース達が忙しなく働いている。
怪我人を治療したり、
何やらカルテを書いたり、と。
ベットが均等にいくつも並べられており、
まばらに男達が寝かせられていた。
その中にぽつりとA。
点滴が付けられており、
あまり体を動かす事は出来ない。
視線だけをゆっくりと外へ向けると、
ベットの横にある小さな机に
そんな大層な...と言いたくなるほどの
果物や花が置かれているのが見えた。
特にパイナップルが目立つ。
(貴)「こ、ここは...
...！！」
机とは反対方向に目を動かすと、
マルコがいた。
何やら考え事をしているかのような面で立っていた。
Aが起きた事にはまだ気づいていないようだ。
(貴)(ひ、ひょえ〜〜〜〜思いっきり助けられてる〜
ちょっとまだ寝てることにしよう〜〜〜〜)
ピタッと瞼を閉じた。
(注意)恩知らずとはこの事である。
_
(マル)「...ふぅ」
「まだ起きませんね。この子...」
(マル)「そうだねぃ...。そろそろ心配だよい」
一人のナースと軽く会話を交わしたマルコは
Aの方を振り返り、ゆっくりと近寄った。
瞼越しからマルコがこちらに来たのを察したAは
じんわりと汗をかく。ひょえ〜〜〜。
(マル)「...起きたらまず
名前を教えてもらわないとねぃ。」
そう言ったマルコはAの手を優しく取り、
自分の口元に近づけた。
そしてそのまま、
ちゅっ
手の甲に軽くキスをした。
...は？
(貴)「ちょっとちょっと！？何するんですか！？」
(マル)「！？
お、起きてたのかよい！？」
船内に大きな声が響き渡る。
マルコは驚き、目を真ん丸にしたが
すぐに嬉しそうな顔をした。
(マル)「よ、よかったよい...
どこか異常は？大丈夫か？」
(貴)「あ、異常です。
この状況が。
狸寝入りも失敗です。」
(マル)「...
何ですぐに声掛けてくれなかったんだよい...
おれはもう心配で...」
(貴)「...」
そのマルコの言葉にAは目を伏せた。
そうだ助けてもらったんだ...
海に落ちたから...
海に落ちた...から...
(貴)「まあ海に落ちたのも貴方のせいなんですけどね」
(マル)「お前さん何の迷いもなく走り出したからな、
凄く焦った。」
(貴)「だって...あんな事言われたら...ぱ、パニックに」
(マル)「...おれは本気だよい。
寝てる間に既成事実作らなかっただけ
褒めてほしいよい」
(貴)「な、ななななんてことを...！？
今さっきの優しい声はいずこへ...」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かぜなつ(プロフ) - レナさん» ありがとうございます！！(涙)最近全然投稿できていないので頑張りたいです…笑 (1月16日 23時) (
レス) id: a3359051b3 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 一気読みさせていただきました、とても面白いです！更新頑張って下さい！ (12月19日 1時) (レス) id: d1ab8e2fb7 (このIDを非表示/違反報告)
かぜなつ(プロフ) - アポロさん» ありがとうございます！！(涙)頑張ります！！！！(涙)(涙) (6月20日 12時) (レス) id: a3359051b3 (このIDを非表示/違反報告)
アポロ(プロフ) - 最高です！更新ずっと待ってます💕 (6月17日 11時) (レス) @page47 id: 1020372e9e (このIDを非表示/違反報告)
かぜなつ(プロフ) - 麗葉さん» ｷﾞｬｰ!!ありがとうございます！！頑張ります！！ (5月15日 0時) (レス) @page42 id: a3359051b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かぜなつ | 作成日時：2022年3月6日 20時
