【47】ない ページ47
ドサリとマルコは地面に腰を落とし、
自分の横をポンポンと軽く叩いた。
座れという意味だろうが、Aはしばらく動かなかった。
マルコはAの方を振り返り、「来てくれよい」と言った。
…しぶしぶマルコの隣に腰掛けたA。
早く帰りたい…そう思った。
(マル)「…さっきの話だが」
(貴)「…ｯ!!
あれは…間違いで…そういう意味じゃ…!!」
(マル)「おれはそういう意味で言ったよい。」
(貴)「…ｯ」
(マル)「…何度も言うが、
おれはお前さんが好きだ。
手放すつもりはない。」
Aはｷﾞｭｯ…と口を噤んだ。
風が強くなる。
マルコがこちらを向いているのが分かるが、
目を合わせたりはしない。
(マル)「…手放すつもりはないが、
Aがちゃんと言葉にして形を大事にするのなら__… 」
(貴)「だから_！！」
__Aは徐に立ち上がった。
マルコは絞り出した声を目で追った。
(貴)「あれは、私がそういう形とか順番を気にして
言ったんじゃなくて…！！」
(マル)「…A」
そして自分も立ち上がった。
(貴)「ただ…恋人でもない人におれの物とか自覚とか
言われても…っとかそういう…！」
(マル)「A」
(貴)「だから今更こ、告白とかされても…！
考えられないから…！！
だって…！」
だって、
私はここの世界の人間じゃないんだもの。
(マル)「…だって？」
びゅうと風。
その後は何も聞こえない。
静かな空間に二人は包まれた。
もう訳わかんない。
私は何に怒っているの？声を荒らげているの？
マルコさんはどうして、
どうしてここまで言われても
私の手を握るの？
ちゃんとマルコさんを拒絶して
一人で帰る道を探さない私が悪いのかな。
あぁそうか__ちょっとでもマルコさんを受け入れた私が悪いんだ。
…だから言ったのに。
駄目だって。
(マル)「…落ち着けよい。
混乱させて悪かった。
…ゆっくり帰って話そう。」
(貴)「…ない」
(マル)「ん？何だって？」
(貴)「もう貴方と話す事は__ない…！」
いきなりすぎ？
いやでももう、こうでもして彼との関係を絶たなくては。
__ここで線を引かなくては。
ﾊﾞｯ!!とマルコの手を振りほどいたAは
背を向け走り出した_否、逃げ出した。
突然の事にすぐに反応出来なかったマルコは、
追いかけるのが遅れた。
今回は彼女の方が運が良かった。
マルコは丘を抜け、街に紛れたAを見失った。
夜になった。
続く (更新停止中)
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かぜなつ(プロフ) - レナさん» ありがとうございます！！(涙)最近全然投稿できていないので頑張りたいです…笑 (1月16日 23時) (
レス) id: a3359051b3 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 一気読みさせていただきました、とても面白いです！更新頑張って下さい！ (12月19日 1時) (レス) id: d1ab8e2fb7 (このIDを非表示/違反報告)
かぜなつ(プロフ) - アポロさん» ありがとうございます！！(涙)頑張ります！！！！(涙)(涙) (6月20日 12時) (レス) id: a3359051b3 (このIDを非表示/違反報告)
アポロ(プロフ) - 最高です！更新ずっと待ってます💕 (6月17日 11時) (レス) @page47 id: 1020372e9e (このIDを非表示/違反報告)
かぜなつ(プロフ) - 麗葉さん» ｷﾞｬｰ!!ありがとうございます！！頑張ります！！ (5月15日 0時) (レス) @page42 id: a3359051b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぜなつ | 作成日時：2022年3月6日 20時
