【15】絶対に ページ15
「...このままだと貴方の事を嫌いになる一方ですよ。」
その言葉にマルコは一瞬、固まる。
口元から少し笑みが消えたような気がした。
周りは耳を塞ぎたくなるほどの大騒ぎだったが、
二人の間だけは時が止まったかのように静かだった。
(貴)「...
マルコさん...？」
(マル)「...それはぁ
困るねぃ...」
笑いながらも絞り出したかのような声だった。
何だ何だ調子の狂うヤツだな。
(貴)「え！？ちょ、ちょっと...！」
徐に立ち上がったマルコはAの腕を引っ張り、
この騒がしい集団から抜け出す。
皆酔っ払っていて
二人が出ていったのには気づかなかった。
＿＿マルコはAを船尾に連れ出した。
夜、
涼しい風が吹いていた。
海がとても綺麗で星が水面に反射していた。
(貴)「あ、あの...？」
座らせたAの前にマルコは膝をつき、
その手をぎゅ...と握った。
(貴)(な、何だ何だプロポーズでもされるのか。
断るぞ。私は)
(マル)「...確かに」
(貴)「.......？」
(マル)「確かに＿
初対面のくせしてお前さんを困らせ
結果的に海に落とし
こんな男しかいねぇ船に縛り付け、」
(貴)「ちょ、ちょっと...」
(マル)「こんなおっさんに一目惚れだの
好きだの、たまったもんじゃねぃよな。
＿＿すまねぇ。」
吹いた風が髪を揺らす。
突然の事に言葉が詰まる。
(貴)「マルコさん＿」
(マル)「だがな、」
手を握る力が少し強くなった。
(マル)「それでもお前さんを離してはやれねぇんだ
おれは運命だと思っている。この出会いは
お前さんの事まだ何にも知らねえが、
それでも好きで好きで堪らないんだよい。
愛しているんだよい。本当に」
(貴)「...ｯ」
マルコの真っ直ぐな目に思わず赤面してしまうA。
愛だなんてそんな簡単に言わないでおくれよ。
マルコは握っているAの手にキスをする。
(マル)「...必ず振り向かせてやる。
幸せにする。
だからもう少しだけ、
嫌いにはならないでくれよい。
頼む。」
___ああ...＿本当に貴方は酷い人だ。
そんな真剣な顔で、声で、
言われたらどうしようもないじゃないか。
ちょっとドキッとしたのは内緒。
これで今までの事全てがただからかわれただけなら
死なない程度に殺しても許される気がする(駄目です)
...困った。
本当に困る。
私は元の世界に帰りたいんだ。
...絶対好きになんかなっちゃいけないんだよ_______
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かぜなつ(プロフ) - レナさん» ありがとうございます！！(涙)最近全然投稿できていないので頑張りたいです…笑 (1月16日 23時) (
レス) id: a3359051b3 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 一気読みさせていただきました、とても面白いです！更新頑張って下さい！ (12月19日 1時) (レス) id: d1ab8e2fb7 (このIDを非表示/違反報告)
かぜなつ(プロフ) - アポロさん» ありがとうございます！！(涙)頑張ります！！！！(涙)(涙) (6月20日 12時) (レス) id: a3359051b3 (このIDを非表示/違反報告)
アポロ(プロフ) - 最高です！更新ずっと待ってます💕 (6月17日 11時) (レス) @page47 id: 1020372e9e (このIDを非表示/違反報告)
かぜなつ(プロフ) - 麗葉さん» ｷﾞｬｰ!!ありがとうございます！！頑張ります！！ (5月15日 0時) (レス) @page42 id: a3359051b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぜなつ | 作成日時：2022年3月6日 20時
