【YOI】Lonely fairies 【ユーリ・プリセツキー】 (ページ35)

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Aside

「…っていうことなんだけど、」

あれから結局、連絡は一切なかった。携帯を見つめてため息をつく頻度は減らず、どんどん私の演技に対する集中力が落ちていく。

他人に悪い意味で影響されてはダメ。少し休みなさいとサキココーチに言われたので、今日は特別にオフを貰えたのだ。

しかし特にすることはなく、結局アイスキャッスルはせつに遊びに来て、今、優子ちゃんに経緯を打ち明けたところだ。

「やっぱり……そっかぁ」

「…やっぱりって？」

「ユリオくん、大人っぽいけどまだ15歳やろ？まだ子供なのに背負うものはやっぱり私達が計り知れないものだと思うの。だからたまに抱きしめたくなるなるんよね、母性本能かな？」

「………」

「そういう時は、やっぱり甘えさせるのが１番だよ。Aちゃんだって、ユリオくんに元気づけてもらったんやろ？」

「なっ、なんでそれを…！」

「ふふ、私を何だと思っとるの！」

さすがは人生の先輩。私のこともユリオのことも、何でもお見通しなのだ。

「はぁ～。ユリオくんかぁ。また会いたいな」

「…うん」

「そういえばユリオくんの最終日、製氷作業手伝ってくれたよね。最後だから俺がやる、って」

「うん、確かそうだった」

「ふふ。…優しいんやね」

優子ちゃんが勢いよく振り向いて、大きな瞳が下からのぞき込む。目をぱちぱちと瞬かせて、にっこりと笑ってから言った。

「大丈夫。きっと、大丈夫よ」