常連ス〇ーカー ページ12
「よっ。来たぜ」
「またあなたですか……」
彼女はため息をついて、温かいブラックコーヒーとガトーショコラをテーブルに置いた。
あれから通いに通って、俺はすっかりこのカフェの常連となった。……店長が昔の馴染みだったおかげなのだが。
「今日はメガネなんですね、鶴丸さん」
「…あぁ。少しだけここで仕事をしようと思ってな」
「こんなところじゃなくて、家でやったらどうです?奥さんが待って……」
「妻はいないぞ。言ったろう、俺はきみを狙っていると」
「………、」
彼女は俺をジト目で睨んでから、プイと背を背けて去って行った。
鶴丸さん。そう彼女の口から紡ぐ音は、どことなく素っ気ない。俺は美味いコーヒーを煽るように飲んで、ため息をつく。
現世の彼女は、冷たいと言うか、ガードが固い。年齢も名前も、何度聞いても未だに答えてくれないのである。
顔も声も、全く同じ。以前のような、儚くて、健気で、優しさに溢れた彼女を愛おしく思うけれど。
いつかツンの向こうにあるであろうデレを見せてほしい。そんな変態チックな妄想をしながら、俺の猛アタックは続く。
そして、記憶を取り戻してほしい。そう願うばかりだ。
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萌菜(プロフ) - 凪花さん» ありがとうございます(^-^)遅れてしまい本当にすみません>_< (2018年2月24日 18時) (レス) id: dc0cd12c91 (このIDを非表示/違反報告)
凪花(プロフ) - 続きが気になります!頑張って下さい!応援してます! (2018年2月2日 16時) (レス) id: 254f4e5b63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌菜 | 作成日時:2017年12月8日 11時