Girl 48 ページ50
優希side
だから家に帰りたくない時はできる限り放課後に皆と出掛けたり図書室で暇つぶしをしたりしていた事もあった。
1軍の皆に嫌われるのが怖くて誰にも言えなかった臆病な私はずっと1人で耐えてきた。
だけど彼はそんな私に気付いてた。
『彼がね、守ってくれるって言ったの。
誰にも言えない事なら俺にいえばいい。
そしたら俺が守ってやるって。』
そう、彼は確かにそう言った。
『だから私は全部話した。
ずっと施設に居た事や、お金で売られた事
義理の姉に暴力を振るわれている事、全部。』
紫「うん…」
『そしたら彼、泣いてたの。
すぐに気付いてあげられなくてごめんねって。
彼は何にも悪くない。
話を聞いてくれただけでも嬉しかったのに私。』
そしてそこから私と彼の交際が始まった。
でも公にはしなかった。
周りが気を遣うからっていう彼の意見。
彼は毎日一緒に居てくれたし登下校も一緒だった。
だけど幸せな日々はそんなに長くは続かなかった。
彼は私に冷たくするような日があって
ある日、お義父さんが酔っ払っていて
生憎その日、 家にお義母さんは居なかった。
『それで私、無理矢理…』
紫「言わんくていいから…」
この人、思っていたよりも全然優しい。
まるで付き合った頃の彼みたい。
お姉ちゃんはその場にいたのにも関わらずお義父さんを止めようとはしなかった。
その日からお義父さんの私を見る目が変わったのは明らかで、そんなような事は2日に1回のペースだった。
こんな事、私一人では抱えきれなくて私は彼に話してしまった。
きっと彼なら、こんな私を救ってくれると思った。
『でも彼は 彼氏が居るのにそんなような事する女
だとは思わなかったって。』
そこで、私たちの関係は終わってしまった。
そしてすぐに彼が他の女の子と付き合ったと噂が流れた。
私の時は周りに言わなかったのに、違う子なら言えるんだって。
私が可哀想な子だから言いたくなかったんだってそう思った。
結局私は1軍を抜けて皆とは違う高校を選んだ。
学校が違う今、彼と女の子がどうなったかなんて知る由もない。
『私は彼のことが忘れられないまま高校生になって
今みたいな格好で毎日通ってる。』
紫「…今、家族とはどうなってるん」
『…彼と付き合う前に戻っただけ。』
彼と付き合う前にされてた事と父親との行為。
彼は最初から居ないものだったと考えれば辛くない。
そう割り切ったのに。
.
紫「俺が守りたい。」
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作者名：もちみいる | 作成日時：2017年8月6日 3時
